約 2,471,138 件
https://w.atwiki.jp/vip_oreimo/pages/298.html
53 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga] 投稿日:2011/01/14(金) 19 15 16.59 ID oNsW6jabo [2/5] その日、俺は沙織にメールで呼び出され、秋葉原に来ていた。 なんでも先日のことを謝りたいとのことらしいのだが。 「……ったく、なんだってんだよ。こんなところまで人を呼び出しやがって……」 指定の場所へ向かって電気街を歩きながら不機嫌にぼやく。 こんなの、家で一言謝りゃ十分だろうに。 「……だめだ……どうにも気乗りしねえ……」 気分は依然として悪い。常より少し深い猫背になって、ポケットに両手を突っ込んで、足取り重くよたよた歩く。 なんで俺がこんなザマになっているのかといえば、先日沙織たちが仕掛けた罠によって、幼馴染にセーラー服フェチだと思われた事件が、まだあとを引いているのであった。 さすがに一週間も経てば、俺の心の傷も多少癒えてきてはいる。 だけど、一生ことあるごとに思い返しては、せつない後悔で胸が痛むんだろうな……なんてことを考えるとどうにも吹っ切れない。 「……っと、ここか?」 ふと足をとめ、俺が見上げたのはなんの変哲もないビルだ。 「レンタルルームねぇ……なんのことやら」 エレベーターで三階へ。エレベーターを降りると、すぐ右手に受付窓口があった。 左手には通路が延びており、幾つかの扉が見える。 なるほど、扉一つ一つがレンタルルームってわけね。 カラオケボックスよろしくまずは受付で部屋番を聞くのだろうが、そんなことをしなくても俺の目的地はすぐにわかった。 一番手前の扉のわきに、ちょうど冠婚葬祭の会場のような案内看板が置かれていたからだ。 54 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga] 投稿日:2011/01/14(金) 19 16 59.49 ID oNsW6jabo [3/5] 『みんなのお兄ちゃん高坂京介とその妹たちご一行様パーティー会場』 ハッハッハ! 誰だよ高坂京介って~。 みんなのお兄ちゃん? ばっかじゃねーのコイツ? シスコンかよ。こっ恥ずかしいやつだなぁ。 「俺のフルネームだよくっそお~~~!?」 誰だっ! こんな公衆の場で、俺の名を辱めている不届きものは! ――いや、ほんとに誰だよ。確かに俺は沙織の兄貴だが、なんで『みんなの』なんて単語がくっ付いてるんだ。 そのせいで変態っぽさが大幅にレベルアップしちまってるじゃねえか。 「はい、高坂京介さまですね。301番のお部屋になります」 「……ういっす」 俺は受付のお姉さんに力なく頷いて、『みんなのお兄ちゃん高坂京介とその妹たちご一行様パーティー会場』と書かれた看板のわきに立った。 目前の扉には何故か他の扉にはないネームプレートがくっついていた。 明らかに即席で付けたと分かる、不自然な形でだ。 そして、そのネームプレートにはこう書かれていた。 さおり くろねこ きりの 妙な胸騒ぎを覚えつつ扉を開く。 「お帰りなさい! お兄様!」 セーラー服を着た妹たちが、二人並んで俺を出迎えた 俺は見なかったことにして扉を閉めた。 55 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga] 投稿日:2011/01/14(金) 19 19 25.97 ID oNsW6jabo [4/5] 「………………な、なんだいまのは……?」 ごくっ……。生唾を飲み込み、額の汗をぬぐう。 すうはあと深呼吸してから、恐る恐る、再び扉を開ける。 「お、お帰り! あ、ああ……あに…………やっぱだめ! なんか恥ずかしいし無理!!」 扉を開けた瞬間、茶髪の妹が俺を出迎えたはいものの、唐突に何かを諦める。 「……お、おまえら……これは……どういう……?」 俺はおまえに兄貴と呼ばれる義理はないぞ? それに、沙織はなんでいつものオタクファッションをしてないんだ? 俺は理解不能の展開に面喰いながらも、辛うじてそれだけ呟いた。 「ふふふ。どうやら、ばっちり驚いて頂けたご様子。私のセーラー服姿、萌えました?」 「いや、たしかに驚きはしたが……萌えてはいない」 「あら? おかしいですわね。お兄様はてっきりセーラー服萌えだと思いましたのに」 「なんの根拠があってそんなことを!?」 おい! これは俺に謝罪するための企画じゃなかったのか!? 俺になんの恨みがあってこんな傷口に塩を塗りこむような真似をする! ……もうこれ以上俺のトラウマを刺激するものはないだろうな。 俺は注意深く周囲を見回した。と――そこで気付く。 沙織と桐乃と――。 一人足りない。 「あれ? 黒猫は? きてねーの?」 表のネームプレートに名前があったし、てっきり三人一緒だと思ったんだが。 「ああ、黒猫さんでしたら――」 沙織はぐるりと背後を振り返り、部屋の隅っこを指さした。 そこには―― 「あ」 「…………」 カーテンの裏に隠れて、セーラー服に身を包んだ黒猫が顔を覗かせていた。 72 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga] 投稿日:2011/01/15(土) 21 09 53.69 ID sKl065BRo [3/7] しかしこの状況…………冷静に考えてみれば色々とつっこみどころ多すぎるだろ。 仕方ねえ。一つずつ消化していくか。 「まず、沙織。いつものオタクファッションはどうした」 おまえ、こいつらの前ではあのファッションで行くんじゃなかったの? 「今日はこのコスプレをするにあたってちょっと勇気を出してみたんです。あのぐるぐる眼鏡でセーラー服を着ても萌えませんでしょう?」 「安心しろ。おまえがどんな格好だろうと妹に萌えることはない」 だいたい、そのセーラー服だってどっから調達したんだ? 「あ、これはあたしの中学の制服なの」 沙織の隣にいた桐乃が解説する。 ああ、なるほど。どこかで見たような気がすると思ったら近所の中学の制服だ。 っていうか桐乃って意外と近くに住んでたんだな。 ……いやいや、おかしいだろ。 なんで桐乃の中学の制服が沙織と黒猫の分まで用意されてるんだよ。 黒猫はどうか知らないが、沙織は中学の頃から例のお嬢様学校に通ってたんだから。 沙織の中学の制服はこんなんじゃなかったぞ? 「ふふふ、私と黒猫さんの分は自前ですわ。きりりんさんの制服を参考にして黒猫さんが作って下さいましたの。どうです? そっくりでしょう?」 「そうなのか? これが自前って……すげえなおまえ」 沙織と黒猫が着ている制服は、そう言われてみてようやく違いがわかるくらいの素晴らしい出来だった。 たしかに桐乃が着ている制服とは生地が少し異なっているようで、色合いがほんの少し違っている。 だが、見てわかる違いはそれくらいで、パッと見同じものにしか見えない。 73 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga] 投稿日:2011/01/15(土) 21 10 38.42 ID sKl065BRo [4/7] 「おまえ、超器用だったんだな」 「ふん、お世辞は結構よ」 先ほどよりもさらにふいっとそっぽを向く黒猫。もうほとんど後ろを向いてしまっている。 褒められるのが苦手なのか、こいつは褒められるとすぐに照れるな。 しかも照れ隠しがてらに毒を吐いて。そこがかわいいんだけどさ。 さて、まだ俺の突っ込みは終わってないぞ。まだ一番の謎が残っている。 「……セーラー服を着ている理由についてはもういい。あえて聞くまい。だが、表のあれは何だ?」 いったいなに? みんなのお兄ちゃんって? あれのせいで俺が受付のお姉さんにどんな目で見られたことか。 今日は俺に謝罪がしたいんじゃなかったの? 今の所辱めしか受けてないぞ。 「あれは今回の裏テーマといったところです」 「裏テーマ?」 なんじゃそら。俺に謝る以外のテーマが存在するってこと? ……確かに、裏テーマでも無けりゃこんなところを借りてまで俺への謝罪を企てたりはしないか。 それこそ家や電話で一言言えば済む話だからな。 俺が妙に納得していると、いつのまにか黒猫が沙織と桐乃の所へ歩み寄り、三人が俺の前で勢ぞろいしている。 なんだ? 何か始まるのか? と、口に出そうと思った瞬間―― 「「「この前はごめんなさいっ!」」」 「――――」 三人が並んで頭を下げた。 数秒の間があり、俺はようやく起こったことを理解する。 74 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga] 投稿日:2011/01/15(土) 21 11 25.81 ID sKl065BRo [5/7] ああ、謝ってくれた……のか。えらく唐突だけど。 ……おまえらの気持ちは伝わったよ。そうだな。もうこの件は水に流そう。 麻奈実に俺がセーラー服フェチだと誤解されたままなのはちょっと気にかかるが、ちゃんと説明すればわかってくれるだろう。 俺秘蔵のエロ本を見られてしまったわけじゃないし、眼鏡フェチだとばれたわけでもない。 俺も過ぎたことをいつまでも引きずって、ちょっと大人気なかったかもな。 「頭あげろよ。俺はもう怒ってないからさ。むしろ俺の方こそ悪かった。あれくらいの悪戯、笑って許してやればよかったな」 三人の顔がパッと明るくなる。 気付けば、体が勝手に沙織の頭を撫でていた。 懐かしいな。いつぶりだろうか、こいつの頭を撫でるのは。 こいつがあんまりでかくなるもんだから、頭を撫でた記憶がちっとも出てこない。 むしろ、撫でられた記憶が存在するから困る。 しかし、相変わらず笑顔のまま俺に撫でられている沙織とは対照的に、桐乃の表情は暗くなっていた。 「ん? どうした?」 「……なんでもない」 なんでもないわけないだろう。そんなもの欲しそうな顔しやがって。 いつぞやの時と同じく、まるで子供が欲しい物を買ってもらえなかったような表情でこちらを睨んでいる。 「ふふふ、きりりんさんも頭を撫でてほしいのでしょう?」 沙織、おまえなに言ってんだ。こいつに限ってそれはねえよ。 こいつ、年上に甘えるとかそんなのとは対極にいるようなやつじゃねえか。 「ちょ、ちょっと沙織!? 何言ってんの!?」 ほらな。そもそも俺に頭を撫でられたがる理由がわかんねえもん。 75 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga] 投稿日:2011/01/15(土) 21 12 27.39 ID sKl065BRo [6/7] 「いいではありませんか。お兄様は、今日はみんなのお兄様です。今日の頼まないともう機会はないかもしれませんよ?」 「う…………っ~~!」 沙織の言葉を聞き、意を決したかのようにおずおずと頭を差し出す桐乃。 え? なにこれ? 俺に撫でろってこと? 桐乃の意を図りかね、沙織に目線で助けを求める。 が、沙織は笑顔のままゆっくりと頷くだけだった。 ああ! もう、撫でればいいんだろ!? くそっ、どうなっても知らねえからな! 桐乃の頭にそろりと手を置く。 手を乗せた瞬間、ビクリと桐乃の体が跳ねるのがわかった。緊張しているためか、見てわかるほど肩に力が入っている。 しかし、ゆっくりと頭を撫でてやるにつれて、緊張が解けたのか肩の力も抜けていく。 ひとしきり撫で終わると桐乃は、心臓に手を当て、頬を紅潮させたまま、荒い息を吐いていた。 まるで重大な告白をした直後の女の子みたいな態度を前にして、俺は妙に気恥ずかしくなってしまい、顔が赤くなるのを感じていた。 忘れがちだけど、こいつってすごい美少女なんだよな。 「あ、ありがと……兄貴」 ……………………………おい、ちょっと待て。今何て言った? 「え? ちょっと待て。沙織、一つ確認したいんだけどさ。ひょっとして裏テーマって…………あの看板の……」 「はい! 今日一日は私たちがお兄様の妹になってお兄様を元気づけようというテーマになっています!」 と、言うことは…… 「にひひ、今日一日よろしくね兄貴」 「……っふ、覚悟することね、兄さん?」 ま、待て! 俺にそんな趣味はない! なにこの企画!? なんで妹が増えると俺が元気になることになってるんだ!! お、俺は断じてシスコンなんかじゃないんだああああ!! 第四話おわり
https://w.atwiki.jp/preciousmemories/pages/1858.html
<俺の妹がこんなに可愛いわけがない> 俺の妹がこんなに可愛いわけがないを中心とするシングルデッキ。 各種サポートを駆使してゲームを進める。 アクティブなどの攻撃的な効果が多いため、ビートダウン構成となる。 《高坂 桐乃(011)》 キャラクターカード 使用コスト5/発生コスト1/黄/AP50/DP40 【制服】/【オタク】 このカードがアプローチに参加した場合、相手のキャラ1枚は、ターン終了時までこのカードを妨害できない。 このカードは、サポートエリアに自分のキャラがいる場合、〔アクティブ〕、+10/+10を得る。 (おもしろい、やってやろうじゃない!) 《桐乃とゆかいな仲間たち》 イベントカード 使用コスト0/発生コスト1/緑 《使用条件》 自分の「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」のキャラ4枚以上。 [メイン/自分] デッキの上のカード7枚を見て、その中にある同じ特徴を持つキャラ2枚を抜き出し、表にしてから手札に加える。その後、デッキをシャッフルする。 《勇気を出して……》 イベントカード 使用コスト1/発生コスト2/赤 [アプローチ/自分] 自分の「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」のキャラ1枚は、ターン終了時まで〔アクティブ〕、〔天然2〕を得る。 (きょっ……きょうちゃんっ。どっ……どうぞっ!) 《俺の妹がこんなに可愛いわけがない》 イベントカード 使用コスト2/発生コスト2/黄 [メイン/自分] 自分の「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」のキャラ1枚は、ターン終了時まで+30/+30を得る。その後、デッキの中を全て見て、その中にある同じ名称のキャラ1枚を抜き出し、表にしてから手札に加える。その後、デッキをシャッフルする。 <俺の妹がこんなに可愛いわけがない>主なカードキャラクターカード イベントカード・サポートカード 主なデッキ<オタク> <高坂 桐乃> <黒猫> <メルル> <メイド> 弱点 関連項目 主なカード キャラクターカード 《高坂 桐乃(011)》 相手の妨害を封じ、サポートエリアにキャラがいればアクティブを得られる。 《新垣 あやせ(032)》 自分キャラのAP・DPを40に変更できる。 《黒猫(033)》 ポイントと手札を置き換えることが可能。 《来栖 加奈子(052)》 コストを払えばアクティブを得てAP・DPが30上昇する。 《田村 麻奈実(053)》 コスト1以下の相手キャラにポイントを与えられなくする。 《沙織・バジーナ(075)》 【オタク】キャラをサルベージできる。 《高坂 桐乃(P003)》 登場すれば味方にアクティブを与えAP・DPを強化できる。 《伊織・F・刹那(046)》 デッキの上のカード5枚をピーピングできる。 《高坂 京介(073)》 登場できる効果を持ち、相手キャラのアプローチを封印する。 《ブリジット・エヴァンス(093)》 登場した時に相手キャラのテキストを封印する。 イベントカード・サポートカード 《桐乃とゆかいな仲間たち》 サーチカード。発動条件は難しいが、キャラ2枚をサーチ可能。 《勇気を出して……》 アクティブと天然を与えるコンバットトリック。 《俺の妹がこんなに可愛いわけがない》 強化とサーチを同時に行える。 《人生相談》 アクティブを与えAP・DPを強化できる。 《人生相談再び》 自分キャラをサルベージ可能。 《バレンタインデー(119)》 相手キャラのアプローチを封印できる。 《この変態!》 新垣あやせ専用だが、AP・DPを50に変更する脅威のコンバットトリック。 主なデッキ <オタク> 【オタク】キャラを中心としたデッキ。 <高坂 桐乃> 高坂 桐乃を中心とし、高坂 京介などのサポートを駆使するデッキ。 <黒猫> 黒猫を中心としたデッキ。 <メルル> 星くず☆うぃっちメルルと来栖 加奈子を中心とするデッキ。 <メイド> 弱点 攻撃的な効果が多いため、防御が手薄になりがち。 切り札は発動条件が難しいカードが多いので要注意。 関連項目 俺の妹がこんなに可愛いわけがない
https://w.atwiki.jp/gununu/pages/5897.html
俺の妹がこんなに可愛いわけがない 作品情報 原作公式HP http //oreimo.dengeki.com/ アニメ版公式HP http //www.oreimo-anime.com/ 8枚 高坂京介 高坂桐乃 黒猫(五更瑠璃) 沙織・バジーナ 田村麻奈実 新垣あやせ 来栖加奈子 赤城瀬菜
https://w.atwiki.jp/4423/pages/3804.html
編集する。 2024-09-01 18 26 19 (Sun) - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないとは、伏見つかさのライトノベル作品。アニメ・ゲーム化されている。 キャラクター人気投票 順位 選択肢 得票数 得票率 投票 1 田村 麻奈実 97 (22%) 2 黒猫 97 (22%) 3 黒猫の上の妹 97 (22%) 4 黒猫の下の妹 97 (22%) 5 高坂 桐乃 6 (1%) 6 沙織・バジーナ 4 (1%) 7 みやび 3 (1%) 8 りんこ 3 (1%) 9 ブリジット・エヴァンス 3 (1%) 10 メルル 3 (1%) 11 一之瀬 真一 3 (1%) 12 三津野 泰三 3 (1%) 13 三浦 絃之介 3 (1%) 14 伊織・フェイト・刹那 3 (1%) 15 新垣 あやせ 3 (1%) 16 星野 きらら 3 (1%) 17 星野 くらら 3 (1%) 18 来栖 加奈子 3 (1%) 19 田村 いわお 3 (1%) 20 赤城 浩平 3 (1%) 21 高坂 京介 3 (1%) 22 高坂 佳乃 3 (1%) 23 高坂 大介 3 (1%) 24 KyousukeKousaka 1 (0%) その他 投票総数 450 高坂家 高坂京介 主人公。高校生で 高坂桐乃 黒猫 沙織・バジーナ 田村麻奈実 京介の幼馴染。クラスメートで京介に思いを寄せている。 新垣 あやせ 桐乃の仕事仲間。 赤城 浩平 リンク 内部リンク 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 俺の妹がこんなに可愛いわけがないの登場人物 俺の妹がこんなに可愛いわけがないの用語・設定・場面・解説 [[]] [[]] 外部リンク 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」アニメ公式サイト 電撃文庫『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』β版公式サイト 俺の妹がこんなに可愛いわけがない - Wikipedia 上へ 感想/討論用 名前 編集する。 2024-09-01 18 26 19 (Sun) - 情報収集 トラックバック一覧 trackback() 口コミ一覧 #bf 関連ブログ一覧 #blogsearch #blogsearch2 ニュース アニメ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。(2期)」の配信を無料視聴できる動画配信サービスまとめ - ピクセラ 総務省「18歳選挙」キャンペーンに「高坂桐乃」さんを起用―「俺妹」サイト等で告知 - インターネットコム 『アイドルマスター』シリーズ完全新作『学園アイドルマスター』とは?小美野P×伏見つかさ先生が描く、個性豊かな“問題児”たちの成長物語 | ファンファーレ - バンダイナムコエンターテインメント公式サイト 【アイマス新作】『学園アイドルマスター』発表。キャラクター設定は『俺妹』『エロマンガ先生』などの伏見つかさ氏が担当。サービス開始は2024年春を予定 - ファミ通.com 【完結】『俺の妹 黒猫if』4巻表紙はウェディングドレス姿の黒猫。京介と黒猫に再び運命の夜が訪れる(ネタバレあり)【俺の妹がこんなに可愛いわけがない】 - 電撃オンライン リアルな布タイツとお尻の質感を1/4スケールで再現! 俺妹「黒猫 バニーVer.」のクオリティが物凄い - アニメ!アニメ! リアルな布タイツとお尻の質感を1/4スケールで再現!俺妹「黒猫 バニーVer.」のクオリティが物凄い (2024年2月8日) - Excite Bit コネタ 布製の“網タイツ”から透けるお尻の質感…俺妹「高坂桐乃」がバニー姿の1/4スケールで立体化! 今後「黒猫 バニーVer.」も案内予定 - アニメ!アニメ! 布製の“網タイツ”から透けるお尻の質感…俺妹「高坂桐乃」がバニー姿の1/4スケールで立体化!今後「黒猫 バニーVer.」も案内予定 (2024年2月1日) - Excite Bit コネタ 「今回の妹は一味違う」 伏見つかさ新作「私の初恋は恥ずかしすぎて誰にも言えない」 - 週刊アスキー 伏見つかさ×かんざきひろの最強コンビが贈る新作小説『私の初恋は恥ずかしすぎて誰にも言えない』電撃文庫より1月10日発売! 双子のヒロインに扮したコスプレイヤーと三木一馬による抽選会や配布会も開催予定! - PR TIMES 電撃文庫コラボ第2弾で禁書目録、俺妹、狼と香辛料が『エレメンタルストーリー』に参戦。星6上条当麻がログインでもらえる - 電撃オンライン エロマンガ先生(伏見つかさ)のネタバレ解説・考察まとめ - リノート 『俺の妹』『エロマンガ先生』の伏見つかさ×かんざきひろ新作小説『私の初恋は恥ずかしすぎて誰にも言えない』が1/10発売 - 電撃オンライン 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」15周年記念!かんざきひろ先生の描き下ろしイラストを用いたオンラインくじが登場 - Gamer 『俺妹』15周年記念のオンラインくじが登場。ウエディングドレス姿が眩しすぎる! - 電撃オンライン 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」オンラインくじ登場! - アキバ総研 ツンデレのヒロイン登場アニメ7作品、ABEMAで27日に連続放送へ 『俺妹』『五等分の花嫁』『とらドラ!』など - ORICON NEWS 『俺妹』『狼と香辛料』ASMR制作決定。桐乃の耳かきを堪能できる? 原作絵を描くかんざきひろのイラストが公開 - ファミ通.com 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」ラバーストラップの受注を開始! - PR TIMES 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない 」 第一期・第二期とシリーズが続いたラノベ原作大人気アニメ - リノート 黒猫の水着がかわいい…! 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない 黒猫if』2巻。京介と黒猫は離島で奇妙な体験をすることに - 電撃オンライン 俺の妹がこんなに可愛いわけがない(俺妹)のネタバレ解説・考察まとめ (7/12) - リノート 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』『さくら荘のペットな彼女』など恋愛アニメが一挙無料放送! - 電撃オンライン 『俺妹』桐乃、黒猫、あやせが水着エプロン姿でオンラインくじに登場! - 電撃オンライン 「俺妹」桐乃、黒猫、あやせが“水着エプロン”姿に! オンラインくじ登場 - アニメ!アニメ! アニメ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」がくじ引き堂に登場! かんざきひろ氏のイラストを使用した景品が盛りだくさん!! - PR TIMES <アズメーカーより、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』各種商品がAnimo(アニモ)にて新発売>9月23日より予約販売開始! - PR TIMES 『俺の妹』加奈子のifルートがスタート! - 電撃オンライン アニメイトで『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』関連書籍を購入して特製ブロマイドをゲット!『俺の妹がこんなに可愛いわけがない 血液センターコラボ応援フェア』9/6~10/20開催決定!|株式会社アニメイトのプレスリリース - アットプレス(プレスリリース) 『俺妹』や『狼と香辛料』など9月の電撃文庫は新刊11冊 - 電撃オンライン 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない 黒猫if」コミカライズ版がエースで開始(試し読みあり) - 音楽ナタリー 『俺妹』がゲマくじに登場│桐乃ら3人の豪華景品がラインナップ - アニメイトタイムズ 『俺妹』の「if」シリーズ、待望の第二弾は黒猫編! 中二病な黒猫と京介の、波瀾の運命を見届けろ!! - ダ・ヴィンチWeb アニメ『俺妹』放送10周年! ~平成オタクのバイブルだった『俺妹』で僕は「ヲタ」になった - アニメイトタイムズ 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない あやせif」コミカライズ版1巻が発売 - 音楽ナタリー 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」桐乃&黒猫モデルの腕時計、バッグ、財布が登場! シックなデザインで実用性バッチリ - アニメ!アニメ! 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』桐乃と黑猫モチーフの腕時計、バッグ、財布など全6アイテムが登場。本日3/8より予約受付開始 - ファミ通.com 『俺の妹』黒猫ifルートが堂々完結! - 電撃オンライン 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」放送10周年! 水着メイド姿の桐乃たちに会えるイベント開催 - アニメ!アニメ! アニメ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」 10th Anniversary コラボストアinゲーマーズが2月11日から開催!描きおろしイラストを使用したグッズの発売も決定! - PR TIMES アニメ『俺妹』10周年コラボストア 2/11ゲーマーズにて開催 - アニメイトタイムズ 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』より、新商品情報!俺の妹IF(IMOUTO FOREVER)セットが受注生産商品で登場! - PR TIMES 俺妹から「黒猫」フィギュアが再登場! - アキバ総研 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない 黒猫if』のコミカライズが決定 - ラノベニュースオンライン 黒猫ファン必読の『俺の妹』ifルート最新巻! - 電撃オンライン 『魔法科高校の劣等生』や『俺妹』など9月の電撃文庫は新刊10冊 - 電撃オンライン 『俺妹』の人気ヒロイン・あやせがついに報われる……! 大人気ライトノベルシリーズの最新巻は「if」の世界!! - ダ・ヴィンチWeb 『俺の妹』新垣あやせifルートが完結! - 電撃オンライン 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』ifシリーズ続刊の刊行が決定 第二弾「黒猫if」、第三弾「加奈子if」が発売へ - ラノベニュースオンライン 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない あやせif』のコミカライズが決定 - ラノベニュースオンライン 『俺妹 あやせif』のコミカライズが決定 - 電撃オンライン 『俺妹』バニー姿の桐乃フィギュアが再販! - 電撃オンライン 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」はツンデレアニメの代表作! - 歌詞・音楽メディアUtaTen 今日は何の日? 妹の日! 妹の日を記念して伏見つかさ作品妹特集!「俺妹」と「エ… - アキバ総研 電撃文庫『俺の妹 あやせif 上』の発売前重版が決定! - 電撃オンライン 電撃文庫『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』6年ぶり最新作の発売日前重版が決定! - PR TIMES 「エンゲージプリンセス」とTVアニメ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」のコラボイベントが開催 - 4Gamer.net ラブコメRPG『エンゲージプリンセス』 アニメ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』のコラボイベント開催! ~原作完結時より少しだけ成長した高坂桐乃や黒猫、新垣あやせが登場 - 株式会社ドワンゴ 「エンゲージプリンセス」とアニメ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」のコラボ記念。アニメ一挙放送を4月24日から3日連続で実施 - 4Gamer.net への字の口元に眉をひそめた表情も魅力的!!「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。… - アキバ総研 「俺妹」ラブコメRPG「エンゲージプリンセス」とコラボ! 原作完結後の 15歳の桐乃 を描く - アニメ!アニメ! 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」黒猫の等身大フィギュア、159万8400円 - 音楽ナタリー 『俺妹』新垣あやせの対話データをバーチャルホームロボットに搭載 - アニメイトタイムズ ユーザーが育てる対話データ『俺妹』新垣あやせを バーチャルホームロボットGateboxに搭載 ~ニコニコ超会議2018で体験企画実施 - 株式会社ドワンゴ 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』よりネコミミ水着姿の高坂桐乃1/2.5スケールフィギュアが2017年10月再販売決定 - ラノベニュースオンライン 『エロマンガ先生』と『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』のコラボが実現! 桐乃&紗霧の描き下ろしミストグラフが完全受注生産限定で登場! - ドリームニュース 電撃文庫刊『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』のifストーリーの制作が決定 第一弾として「あやせif」を文庫化 - ラノベニュースオンライン 「俺妹」第2期を網羅したブルーレイボックス&コンピレーションCD、4月26日発売 - 映画.com アニメ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」、Blu-ray BOX&コンピレーションCD… - アキバ総研 人気アニメの第2期『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』がBlu-rayBOXに! 作品を彩った楽曲満載のコンピレーションCDと同時発売へ - 超! アニメディア TVアニメ第2期『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』Blu-rayBOX&コンピレーションCD 2017年4/26同時発売決定! - PR TIMES 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」第2期BD-BOX化。TV未放送話含めて28,000円 - AV Watch 電撃文庫刊『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の新垣あやせ等身大フィギュアの製作が決定 - ラノベニュースオンライン 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」が18歳選挙キャンペーンモデルに - アニメ!アニメ! 『俺妹』高坂桐乃が、なんと総務省のお仕事を!? - アニメイトタイムズ 3社コラボの『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』新作商品登場 - アニメイトタイムズ 【新作情報】『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』iPhone版は高解像度グラフィックに刷新 - ファミ通App 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 ハッピーエンド』あやせの魅力にメロメロなあの男が乱入!? 妹フォト対決、決戦へ!【週刊 俺の妹。 HD】 - 電撃オンライン 『俺の妹。』第14話~第16話より先行場面カットが到着 - アニメイトタイムズ 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 ハッピーエンド」,各種システムの詳細が明らかに。DLC第1弾は「俺の妹たちがYシャツ姿なわけがない。パック」 - 4Gamer.net 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 ハッピーエンド」パッケージビジュアルが公開に。初回封入特典はPSP版「俺の妹」シリーズのCGをHD画質で楽しめるプロダクトコードに決定 - 4Gamer.net 『俺妹。』第13話 場面カットが到着 - アニメイトタイムズ アニメ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」 最終3話は8月18日、全世界同時公開 - アニメ!アニメ! 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』コラボカフェをレポート! - アニメイトタイムズ キャスト大集合! 「俺妹。フェスティバル」が7月21日に開催! - アニメイトタイムズ PS3「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 ハッピーエンド」9月26日発売 - GAME Watch 『超電磁砲S』の放送に合わせ『俺妹』の桐乃?さんから重大発表!? - アニメイトタイムズ 人気小説のゲーム化第3弾。「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 ハッピーエンド」の製作が決定&スクリーンショットが多数公開に - 4Gamer.net 「俺の妹。」は全16話の変則スタイル 13話TV放映、3話分は一挙リリース告知 - アニメ!アニメ! アニメ『俺妹』第2期の放送局決定! - アニメイトタイムズ コトブキヤが『俺妹』の人気キャラ「黒猫」を水着フィギュア化 - アニメイトタイムズ 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』2期は2013年4月! - アニメイトタイムズ セガ ラッキーくじ,9月上旬に「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」のグッズが登場 - 4Gamer.net PSP「俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブルが続くわけがない」こんなにラブラブなわけがない(!?)ゲーム序盤のプレイレポートをお届け! - Gamer 【週刊 俺の妹P続】どのヒロインが人気だったのか!? アツい投票が多く寄せられた人気投票の結果を発表!! - 電撃オンライン 「俺妹」×「千葉モノレール」コラボ記念切符セット発売 - アニメイトタイムズ 『俺妹』高坂桐乃フィギュアの予約受付を開始 - アニメイトタイムズ 一番いい妹を頼む。「放課後ライトノベル」第19回は『俺の妹がこんなに可愛いわけがない7』を紹介するわけがない - 4Gamer.net 原作者も桐乃のケツに釘付け、アニメ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」トークイベントレポート - GIGAZINE(ギガジン) リンク元 #ref_list 上へ 編集者用 ミニ編集参加(文の提供・虚偽・誤字等) 出典、参考 上へ
https://w.atwiki.jp/anipicbook/pages/1385.html
俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 2014カレンダー 俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 2014カレンダー 発売日 :2013年10月19日 発売 商品情報 ・カレンダー:7ページ 俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 カレンダー2013年 俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 カレンダー2013年 [カレンダー] 発売日 :2012年10月27日 発売 商品情報 ・カレンダー:7ページ 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 2013年 カレンダー 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 2013年 カレンダー [Stationery] 発売日 :2013年 発売
https://w.atwiki.jp/imoutnovel/pages/37.html
長文系タイトルが流行る戦犯となった作品。 妹は桐乃。 色々スペックが高すぎるお方。 初期の巻では、ほぼツンで、人によってはデレがないからかわいくないと感じるかもしれない。 兄の呼び方も「あんた」。 巻が進むごとにデレは多くなり、呼び捨てにまでランクアップする。 妹以外のキャラクターも人気が高いため、結構出番は取られる。 が、やはり兄妹が中心にとなっている気がしないこともない。 +ちなみにネタバレになるが 兄が妹以外と付き合って別れる話もある。 貴重な実妹エンド作品 義理落ちの批判も行った 関連リンク 俺の妹がこんなに可愛いわけがない&伏見つかさ作品のまとめサイト
https://w.atwiki.jp/vip_oreimo/pages/151.html
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/26(日) 16 20 24.45 ID u4wVIxT00 [1/8] 瑠璃が引き戸を開けると、外では依然として霧状の雨が降っていた。 「傘は持ってきているの?」 「ああ」 黒の折り畳み傘を開いて見せる。 瑠璃は傘立てにあった赤い傘を開くと、俺の一歩先を歩いて、来たときと同じように門の閂を外してくれた。 「今日は……呼んでくれてありがとな。 瑠璃の妹たちに会えて良かったし、 美味い飯もご馳走になって……楽しかったよ」 「妹たちには懐かれて大変だったのではなくて?」 「避けられるよりずっとマシだろ」 瑠璃はやんわりと笑んで、 「京介は小さな子供の扱いに慣れているのね。 下の妹は内気な性格なのだけれど、あなたに対しては人見知りしなかったみたい」 「似姿も描いてもらったしな。あれ、今のところは瑠璃の部屋に置いといてもらってもいいかな」 「構わないわ。 それと晩ご飯は……、質素な献立でごめんなさい。 正直、物足りなかったでしょう? 本当はもっと凝ったものを作るつもりだったのだけれど、 し、失敗するのが怖くて、一番作り慣れているもので妥協してしまったの」 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/26(日) 16 21 21.17 ID u4wVIxT00 [2/8] 失敗するのが怖くて――、か。 本音を隠さずに教えてくれたことは嬉しいよ。 でもあれが妥協の結果だなんて、言われなきゃ全然分からなかったぜ。 質素な献立?関係ねえよ。 「俺はああいう純和風な料理が好きなんだ。 それに、普通で無難な料理ほど、料理人の腕が反映されやすいだろ? お前の料理、スゲー美味かったよ。 また今度何か食わせてくれな」 「ほ、ホメ殺さないで頂戴」 瑠璃は傘で顔を隠してしまう。 ざあ、とにわかに雨脚が強まり、街灯の明かりが鈍くなる。 俺は傘のへりを指で持ち上げ、その中の唇に、自分の唇を合わせた。 「…………っ……ん……」 微かに身動ぎした後で、大人しくなる。 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/26(日) 16 56 37.16 ID u4wVIxT00 [3/8] 大きく見開いた目を閉じ、固く閉じた唇を薄く開いて、瑠璃は俺を受け入れてくれた。 まるで親鳥に餌をねだる小鳥のように、お互いの唇を啄む。 熱く濡れた吐息や、空気を求める喘ぎ声、触れた肩の温もりが、際限なく興奮を高まらせていく。 やめ時が分からない。いつまでもこうしていたい。 俺を夢から覚ましたのは、すぐ近くで起こった水音だった。 「はぁ……っ……はぁっ……」 「大丈夫か?」 傘を拾い上げて、瑠璃の頭上に翳してやる。 陶然とした双眸に理性の色は見て取れない。 瑠璃は泣きそうな声で言った。 「どうして……やめたの……?」 脳髄に熱い電極をぶっ刺されたような気がしたよ。 「こ、これ以上続けたら色々とヤバいだろ」 もう既に色々とヤバいことになってるんですけどね、俺のリヴァイアサンは。 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/26(日) 17 16 18.15 ID u4wVIxT00 [4/8] 呼吸が整ってきたのに伴って、思考もはっきりしてきたんだろう、 瑠璃は元々上気させていた顔を、さらに赤くして、 「い、いきなりすぎるわ……。 しかもこんなところで……情緒も何もあったものではないじゃない」 ぽす、と弱々しい力で俺の胸を突く。 お前だって前のデートで、いきなしキスしてきたじゃないか。これであいこだ。 「あれは……解呪のための口吻であって……」 呪いをかけるという名目ならいつでもどこでもキスしていいのかよ。 「じゃあ俺もそういうことで」 「闇の眷属ではないあなたに呪術を使うことは不可能よ」 はぁ。どうして俺と瑠璃のキスの後は、なんつーの?こう、甘い雰囲気が流れないんだろうなぁ。 うっとりとお互いを見つめ合い睦言を交わす……てなことをしてみたいと思うのは、贅沢なんだろうか。 俺は言ってやった。 「キスしたくなったからキスしたんだよ」 文句あっか。不意打ちだの情緒がないだの知ったこっちゃねえっての。 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/26(日) 18 20 36.20 ID u4wVIxT00 [5/8] 「なんて、強引な人」 瑠璃は下唇を噛み、目を伏せる。 「杞憂……だったのかしら……」 「杞憂?」 オウム返しに尋ねると、 「酷い顔」 どこまでな真っ直ぐな眼差しと一緒に言われた。 な、なんで俺悪口言われてんの?全然そんな脈絡無かったよね!? 「今日のお昼、インターホンが鳴って、扉を開けて、 わたしの家を眺めているあなたを見て、そう思ったのよ」 それは顔の造形的な意味で?それとも表情的な意味で? 瑠璃は喉をくつくつと鳴らして、 「後者に決まっているじゃない。 あなたの顔は、あなたが思っているほど地味でもなければ、不細工でもないわ」 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/26(日) 18 44 16.34 ID u4wVIxT00 [6/8] でも格好いいってワケでもねえんだろ。 「ふふっ、なにを拗ねているの? 万人受けする容貌でないことは確かだけれど、 わたしの好みには合致するのだから、それで充分なのではなくて?」 と切り返されなんとも面映ゆい気持ちになった俺は、話題を元に戻すことにする。 「俺は今でも、その、酷い顔してるか?」 瑠璃はフリフリと横にかぶりを振って、 「いいえ。きっと光の加減で、わたしが見間違えたのでしょうね。 下の妹も上の妹も、初対面のあなたに怖がらず接していたでしょう? 特に下の妹は人の機微に敏感でね、心の闇が表情に出ている人間には決して近づかないのよ」 そっか。じゃ、杞憂だよ。 俺は瑠璃から離れ、肩に斜めにかけていた折り畳み傘を垂直に持ち直した。 「そろそろ、帰るわ」 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/26(日) 19 57 54.74 ID u4wVIxT00 [7/8] 「ま、待って」 返しかけた踵を戻す。瑠璃は胸に手を添えて、 「次は、いつ会えるのかしら?」 「明日は瑠璃はアルバイト……お母さんの手伝いがあるんだよな。 じゃあ、明後日、久しぶりに二人で、部活に顔を出さないか。 部長が来い来いうるさくてさ。たぶん、瑠璃にもメール来てるだろ?」 唇を尖らせる。不服のサインだ。 「部活が終わったら、その後は二人でどこかに遊びに行こうぜ」 「ええ、そうね。そうしましょう」 破顔する。これ以上に分かり易い喜びの感情表現はないだろう。 コロコロと表情を変える瑠璃を見ていると、 澄ました無表情がデフォルトだった頃の瑠璃を忘れそうになるよ。 102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/26(日) 22 57 13.95 ID u4wVIxT00 [8/8] 瑠璃と玄関先で別れて、しばらくしたところでBeegleMapにアクセスする。 検索エンジンは自宅までの最短ルートを表示してくれたが、俺は少し遠回りの道が知りたかった。 にしても、「酷い顔」か。 五更家の前に立ったときは、気持ちを切り替えていたつもりでいたんだが……。 しっかりバレてたみたいだ。 ホント、女の勘は鋭さには驚かされるよ。 翌日。 俺は地元の中学校に程近い公園にやってきていた。 遊具と呼べるものは砂場くらい、あとは砂地の多目的広場になっていて、 小学生数人がこのクソ暑い直射日光の中、サッカーボールを追いかけ回している。 元気なもんだ。俺にも少しその元気を分けてくれよ、と思う。 ここは俺とラブリーマイエンジェルの親交の軌跡が刻まれている場所でもある。 目を瞑ればあやせたんにビンタされた記憶、ハイキックされた記憶、腹の底から罵られた記憶が……。 マジで良い思い出ねえな。 サッカーを邪魔しないように端を歩いてベンチに近づくと、 淡いブルーのカジュアルドレスを纏った少女が顔を上げて言った。 「お兄さん」 「よう、待たせたか?」 「いえ……わたしもついさっき着いたところですから」 社交辞令を済ませて、ベンチの空いたスペースに腰掛ける。 するとあやせもお尻をあげて座り直した。 もちろん俺と距離を置く形で。 124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 00 55 00.59 ID qTavd8nf0 [1/22] 「お兄さんを呼び出した理由は、もうご存知ですよね」 「桐乃のことについて話があるんだろ」 昨日もらったメールにそう書いてあったからな。 あやせはこくんと頷き、膝の上で両手を握りしめて訊いてきた。 「単刀直入に聞きますけど……。 お兄さんの目から見て、家での桐乃はどうですか?」 「はっきり言ってスゲー荒んでる」 瑠璃と付き合うことを告白したあの夜から、 桐乃の俺に対する態度は、一年と半年前のそれに逆戻りした。 廊下ですれ違っても言葉一つ交わさない、当然挨拶もなし、 偶然目が合えば舌打ちし、聞こえるか聞こえないくらいの大きさの声で悪態を吐く。 「しかも俺だけにじゃなくて、親父やお袋に対しても似たような態度取ってるからな。 今はみんな、腫れ物触るようにあいつに接してるよ」 「そんな……」 128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 01 40 51.59 ID qTavd8nf0 [2/22] 「親友のお前から見て、桐乃はどうなんだ?」 あやせは悲愴な面持ちで、訥々と語った。 「ここ数日の桐乃は、なんだか桐乃じゃないみたいです。 冷たくされたり、あからさまに避けられているわけではないんですよ? でも、メールは続かないし、電話で話してても上の空で……わたし怖いんです。 今の状態がずっと続けば、桐乃との関係が壊れてしまうような気がして……」 あやせが悲観的に捉えすぎている可能性がなくもないが、 桐乃があやせを含めた学校の友達にまで素っ気なくしているのは一応の事実なんだろう。 「桐乃は昨日あった撮影の仕事を無断欠勤しています。 あと、これは陸上部の友達が教えてくれたんですけど、 桐乃はここ数日の部活も、何の連絡せずに休んでいるみたいなんです。 みんなすごく心配してました……。 あの娘、仕事や部活には、常に真面目で、本気でしたから。 遅刻もこれまで一度もしたことありませんでしたし……」 それには薄々勘付いてたよ。 あいつ、三日前から家に引きこもり通しだからな。 153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 09 42 12.30 ID qTavd8nf0 [3/22] 「わたしは、三日前に、桐乃に何かがあったんだと考えています。 その日はお昼から撮影で、撮影が終わった後は一緒に買い物に……。 あ、お兄さんには電話で言いましたよね。 桐乃、撮影の時から様子が変でした。 表情や雰囲気がイマイチだって、何度もカメラマンの人に注意されてて……。 モデルだって人間ですから、機嫌が悪い時や、 体調が悪い時に撮影の仕事が入ることは珍しいことではありません。 桐乃のすごいところは、どんなに不調な時でも、 カメラの前では普段通りの桐乃でいられるところで……。 でも、あの日は違ったんです。 桐乃の目……、まるで一晩中泣いてたみたいに腫れてました」 その喩えはたぶん事実だよ。 それにしても、仕事や部活は自他ともに厳しかったあの桐乃がね……。 あやせと喧嘩したときでも、撮影や部活の合宿は休まず参加して『いつも通りの桐乃』を演じてたってのに。 「わたし、撮影が終わった後で桐乃に言ったんです。 『何かあったの』って。『わたしでよければ相談に乗るよ』って。 だってわたしたち、親友じゃないですか。なのに桐乃は『なんでもない』としか言ってくれませんでした。 桐乃が嘘を吐いているのはすぐに分かりました。 わたし、ショックで頭の中が真っ白になって……でも、そこで桐乃を責めても仕方ないと思いました。 だから桐乃の好きなタイミングで悩みを言ってもらうために、 桐乃を元気づける意味も込めて、『買い物に行こう』って誘ったんです」 一年前に比べりゃ大きな進歩だな、と思ったよ。 人間関係に潔癖で、純粋で、素直で、嘘を吐かれると人が変わったようになるあやせが、 桐乃の隠し事に言及するよりも、自分から話してもらうまで待つ選択をしたんだからな。 158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 10 29 31.18 ID qTavd8nf0 [4/22] 「街に出ると、桐乃はいつもの桐乃に戻ったように見えました。 撮影のときの桐乃が嘘みたいに、桐乃は笑顔で……でも、やっぱり違ったんです。 お金の使い方がすごく荒くて、ナンパされたときも普通に話してて……いつもは無視するか、冷たくあしらうのに……。 桐乃、テンションが高いというよりは、自棄になってるみたいでした。 桐乃を家の晩ご飯に誘ったのは、長く街にいればいるほど、桐乃がおかしくなるような気がしたからです」 あやせの賢明な判断に感謝しねえとな。 隣にあやせがいなけりゃ、あいつ、マジで朝帰りして親父に捜索願出されてたかもしれねえ。 「わたしたちはご飯を食べた後で、わたしの部屋に行きました。 その時に、桐乃に『泊めて』と頼まれて……でも、心を鬼にして断りました。 お父さんやお母さんは桐乃の言葉を信じてましたけど、 わたしには、桐乃が桐乃のお家に連絡していないことが分かっていたんです。 だってその日、桐乃は一度も携帯を開いていませんでしたから」 お前の観察眼には怖れ入る。 161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 11 07 21.61 ID qTavd8nf0 [5/22] 「それで、桐乃を家に帰してくれたのか」 「はい。そうするのが桐乃の友達として……親友として……正しい選択だと思いました。 あの、あの後桐乃はご両親に……?」 「叱られたよ」 途中で俺が止めに入ったことは黙っておく。 「お兄さんは、桐乃が変わった原因について、何か心当たりがありませんか?」 「さあな。あいつは何も話してくれねえから」 「わたしはお兄さんの考えを聞いているんです」 「……………」 熱気を孕んだ一陣の風が吹きすぎ、あやせの豊かな黒髪を膨らませる。 すぐ後ろの木立で独唱していた蝉が力尽きる気配がした。 サッカーをしていた小学生たちは、いつの間にかいなくなっていた。 「―――お兄さんが原因なんじゃないですか?」 しん、と水を打ったように静まり返った公園に、あやせの透明に澄んだ声はよく響いた。 168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 11 49 37.09 ID qTavd8nf0 [6/22] 「なんでそう思うんだ?」 「あの日、桐乃は一度もお兄さんの悪口を言いませんでしたから。それが逆に不自然でした」 あやせは重く低い声で言う。 「桐乃が夜遅くなっても帰りたがらず、連絡も入れようとしなかった理由は、 きっととても単純なことで……家族に……お兄さんに心配をかけたかったからなんだと思います」 お前も麻奈実と同じことを言うんだな、あやせ。 夏休みが明けるまでは、瑠璃との交際を公にせず、これまでどおりに振る舞う――。 それは瑠璃と話し合って決めたことで、 だから一昨日の図書館勉強は、麻奈実と純粋に『仲の良い幼馴染み』として過ごせる、 残り少ない貴重な時間だったのかもしれないのに、 麻奈実はめざとく俺が落ちこんでいることに気づき、結局俺は、桐乃の不可解な行動の顛末を話してしまった。 そして麻奈実は、俺の話を聞き終えたあとでこう言ったのだ。 『桐乃ちゃんは、きょうちゃんに探して欲しかったんじゃないかなあ』 176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 12 27 20.76 ID qTavd8nf0 [7/22] 麻奈実は続けてこうも言った。 『ねえ、きょうちゃんはその時、何をしてたの?』 声の調子は優しく穏やかで、だからこそ俺には堪えた。 開き直れたらどんなに楽だったろうな。 「妹の我が儘なんざ知ったこっちゃねえ」ってさ。 でも俺は決まり悪く俯いて、「家を空けてた」と言うのが精一杯だった。 麻奈実を失望させたくなかったというのもあるし、 そうやって嘯いたところで、麻奈実には通用しないと分かり切っていたからだ。 あやせは言った。 「もう一度訊きます。 桐乃があんなふうになったのは……お兄さんが原因なんじゃないですか?」 これ以上否定しても白々しいだけだ。 首肯すると、あやせはそれまでの必死な表情を、さっと能面に変えて、 「やっぱり……そうだったんですね」 ぞわ、と全身が粟立つ。 一瞬のうちに、俺たちを取り巻く夏の熱気が冬の冷気に変換されたような錯覚がした。」 「桐乃に、何をしたんですか?」 182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 12 48 31.58 ID qTavd8nf0 [8/22] お、落ち着け。 「俺が桐乃に直接何かしたワケじゃねえよ」 「でも、桐乃が傷つくようなことをしたのは、事実なんですよね!?」 「俺にあいつを傷つけるような意図は、これっぽっちもなかったっての!」 「結果的にはそうなってるじゃないですか!」 目的語不在の論駁に終着点は見えず、 「これは俺たち兄妹の問題なんだ。 お前が首を突っ込むことじゃねえんだよ」 俺はつい、いつものスタンスを忘れて、強い言葉をぶつけてしまった。 「………ッ」 あやせの表情に、怯えと悔しさが綯い交ぜになった色が浮かぶ。 俺は深呼吸してささくれ立った気持ちを落ち着け、 「……あやせが心配することはねえよ。 しばらくしたら、桐乃は元通りになる。 お前とはこれからも親友でいるだろうし、モデルの仕事や部活にも復帰するさ」 193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 13 39 25.51 ID qTavd8nf0 [9/22] 「時間が解決してくれると?」 「……ああ」 「お兄さんは……、桐乃のことが心配じゃないんですか?」 「心配だよ。心配に決まってんだろ」 「じゃあお兄さんは、桐乃があんなふうになってから、今まで何をしていたんですか? わたしはわたしなりに桐乃を元気づけようとしてメールを送ったり、電話をかけたりしました。 全部、無駄でしたけど……それでも、放っておくことなんてできませんでしたから」 あやせは消え入るような声で言った。 「わたしの知っているお兄さんは、 桐乃が苦しんでいるときに、こんなに悠長に構えているお兄さんじゃありません」 あやせは木陰から日向に踏み出すと、 「さよなら」 そのまま振り返りもせずに、去っていった。 「人の気も知らないで、好き勝手言いやがってよ」 誰もいない、閑散とした公園で独りごちた。 200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 14 39 09.26 ID qTavd8nf0 [10/22] ----------------- 「ただいま」 返事は帰ってこない。お袋の靴が無くなっている。 買い物に出かけたんだろう。親父は仕事で朝から家にいない。 俺はリビングで麦茶を飲んだ後、階段を上って自室に向かいかけ、 右手のドアの前で、足を止めた。ドアプレートには『桐乃』の文字。 心の裡で誰かが言った。 ……たったの三日で手前との約束を反故にしていいのかよ。 「桐乃、いるか?」 考えていることとは裏腹に、右手の甲がドアを叩く。 「いるんだろ、桐乃」 言葉が口を衝いて出ていた。 ドアノブに手を掛ける。駄目元で捻ると、あっさり開いた。 家に誰もいないと思って、油断してたのかもしれねえな。 203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 15 18 05.69 ID qTavd8nf0 [11/22] 部屋から流れ出してきた、甘く冷たい空気に身震いする。 照明はついておらず、閉め切られたカーテン越しに届く仄かな陽光が、 部屋の中のものにぼんやりとした陰影を与えていた。 クーラーが冷風を送る音と、マウスのクリック音が虚しく響いている。 実に陰気な部屋だ。いるだけで気が滅入ってくる。 そしてそんな部屋の左奥に、俺の妹がいた。 手入れを怠っているせいか、髪のぱさつきがよく目立つ。 ディスプレイの光に照らされた顔はどこまでも無表情で、 寝ても覚めてもパソコンと向き合う生活を続けているせいか、目は赤く充血している。 「……なに、勝手に入ってきてんの?」 「話があるんだ」 桐乃はゴミを見るような目でこちらを一瞥し、 「あんたとなんか話したくない。出てって」 「やだよ」 俺は後ろ手にドアを閉めて言った。 「お前さ、いつまでこうして引きこもってるつもりなんだ?」 206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 15 46 07.90 ID qTavd8nf0 [12/22] 「…………」 「撮影の仕事や、部活、無断で休んでるんだってな」 桐乃は「ッチ」と大きく舌打ちし、 「……誰から聞いたの?」 「んなことは今どうだっていいだろ。 お前、いい加減に外出ねえと、終いにみんなから愛想尽かされちまうぞ」 ティーン誌の人気モデルに、陸上部のエース……。 今まで築き上げてきた地位が水泡に帰してもいいのか? そんなこと、お前のプライドが許せるのかよ? 桐乃はふっと嘲るような笑みを浮かべて、 「別に?もう、どうでもいいし。勝手に愛想尽かしてろって感じ」 「おま……それ、マジで言ってんのか?」 「本気だけど?あたし今年受験あるし、 モデルも走るのも飽きてきたトコだったし……丁度いい機会じゃん」 売り言葉に買い言葉、で出てきた言葉じゃなさそうだ。 212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 16 31 29.84 ID qTavd8nf0 [13/22] 受験勉強に専念する――辞めるには誂え向きの理由だな。 でもさ、 「それは建前だろ」 「ハァ?勝手に決めつけるとか超ウザいんですケド。 なに『俺は全部分かってる』みたいなキモい顔してるワケ? あんたなんかに、あたしの考えてるコトの一万分の一も分かるわけないじゃん!」 「……受験勉強のためにモデルや部活をやめることは、俺以外の誰かに言ってあるのか?」 「ま、まだ言ってない。でも、これから言うつもりだったの!」 携帯を手に取り、電源を入れようとする桐乃。 コイツまさか今から事務所や部活の顧問に辞める意志を伝える気か? 「ちょ、早まんなって!」 お前が今超絶に神経質なのを忘れて、下手に刺激した俺が悪かった! 俺の呼びかけも虚しく、桐乃は素早く電話帳から目当ての番号を選び出し、通話ボタンに手を掛ける。 すんでのところで取り上げた。 「か、返してよっ!てか、あたしの携帯に汚い手で触んなっ!」 216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 17 15 50.46 ID qTavd8nf0 [14/22] 「落ち着け、落ち着けってば!」 「うるさいっ!返せっ!」 「返したら電話するだろ、お前!」 拙いパンチやキックを躱して後退していくと、背中が本棚にぶつかった。 逃げ場を失った俺は、わざと携帯を床に落として、 掴み掛かってきた桐乃の両手を、逆に掴み返す。 性別も違えば歳も違う。 膂力の差は歴然だったが、しかし……、桐乃は暴れた。 顎先に頭突きをもらい、爪先を親の仇のように力いっぱい踏み潰され、 鳩尾に数発膝蹴りを叩き込まれてなお俺は倒れず(今振り返ってもよく持ちこたえたと思う)、 逆に俺の股間を一蹴しようと大きく足を後ろに引いた桐乃がバランスを崩し――。 「…………ん」 目を覚ますと、後頭部がずきずきと痛んだ。 手をやると微かに膨らんでいて、熱を持っているのが分かる。 やれやれ、この年でたんこぶか。 軽く意識が飛んでいる間に、俺の体は桐乃のベッド脇にもたれ掛かるような格好になっていて、 部屋の中に桐乃の姿はなく、ついでに携帯も消えている。 ……終わったな。なにやってんだ、俺。 絶望に浸りかけたそのとき、ドアが開いた。 227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 17 37 31.75 ID qTavd8nf0 [15/22] 「あ……」 「桐乃……」 焦燥の色を浮かべていた顔が、ぱぁっと明るくなって、すぐに顰め面に変わる。 「……起きたんだ」 「ああ、さっきな」 「これ、あげる」 桐乃は手に持っていた何かを放ってきた。氷嚢か。 「わざわざありがとよ」 「別に。クモ膜下出血とかで死なれても困るから作ってきてあげただけ」 氷嚢で押さえたくらいでクモ膜下出血が治るかよ、という突っ込みは我慢して、後頭部を押さえる。 熱が奪われていく心地よい感触に目を瞑っていると、 「ねえ……あんた、そのまま死んだりしないよね」 「死ぬかボケ」 死因がたんこぶとかどんな虚弱体質だよ。 「だってさ、倒れたとき、ものすごい音したよ?」 「親父やお袋が出払っててよかったな」 235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 18 02 19.00 ID qTavd8nf0 [16/22] 桐乃が背中から倒れる一瞬前、 引き寄せることも間に合わないと判断した俺は、咄嗟に自分の体と桐乃の体を入れ替えた。 似たようなことが、一年前、桐乃があやせや加奈子を家に連れてきたときにもあって、 あの時は桐乃の背中に手を回すことで事無きを得たのだが(怪我の有無的な意味で)、 今回は両手を掴み合っていたことが仇になり、 結果、俺はめでたく後頭部を床に強かに打ち付け、 ダメ押しに桐乃のボディプレスをもらうことになった――んだろうな。 最後らへんはあんまし良く覚えてねえや。 っと、んなことよりも大事なこと聞くの忘れてた。 「お前、電話しちまったのか?」 「し、したって言ったら?」 「俺がかけ直して、さっきのは間違いだから取り消してくれって頼む」 俺は大真面目に言ったつもりだったのだが、 桐乃は「ぷっ、馬鹿じゃん」とお馴染みの台詞を口にすると、俺の前にぺたんと座り込み、 「……電話はしてないよ。これが証拠」 携帯を操作して、発信履歴を見せてくる。 最新の発信日時は三日前のものだった。 245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 18 37 45.28 ID qTavd8nf0 [17/22] ホッと胸を撫で下ろそうとした矢先、 「でも、辞めようと思ってるのはホントなんだ」 桐乃は神妙な顔で言った。 「受験のためじゃなくて?」 「うん……もういいかな、って。 やる気がなくなったっていうよりは、やる意味が無くなったっていうか……。 モデルはお小遣い稼ぎのために、続けてもいいかなーって思ってるケド……」 ええぇぇ、それ逆じゃね? 普通モデル業より部活優先するだろ。だって、 「お前、あんなに走るの大好きだったじゃねえかよ」 「走るのは今でも好きだよ」 「じゃあ……!」 俺はそこで二の句を継げなくなる。 桐乃は濡れた瞳に、再び拒絶の意志を宿し、 「もう、どうでもいいじゃん。あんたには関係ないことでしょ」 「桐乃……」 283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 21 09 30.20 ID qTavd8nf0 [18/22] ここが分水嶺だ。このときの俺には、根拠不明の確信があった。 自分に課した約束を破るか否か。 破れば俺はきっと桐乃の我が儘を叶えてしまう。 守れば俺はきっと瑠璃の呪いに縛られ続ける。 337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 21 42 32.96 ID qTavd8nf0 [19/22] 「関係なくなんかねえよ。お前は俺の妹だろうが」 「い、妹だから何だっての?」 「放っとけねえって言ってんだ」 親父に『桐乃を任せる』と責任を負わされたからでも、 あやせや麻奈実に発破を掛けられたからでもない。 事実俺は、今この瞬間まで、自分との約束を破るつもりなんてなかったんだ。 卑怯だよ、妹ってやつは。 兄貴の弱点がなんなのか、無意識のうちに分かってやがる。 「俺はお前の泣いてる姿は見たくないんだよ」 人差し指で、桐乃の目から溢れた涙を拭ってやる。 「やめてよ」 桐乃はいやいやするように首を振った。 「中途半端に優しくしないでって、あたし前に言ったよね?」 言われた記憶は無いが、お前が言うならそうなんだろうな。 「そういうの、マジでムカつくの……。 構うのか構わないのか、どっちかにしろって感じ……。 妹が泣いてる姿は見たくない?……ざけんなっ。 それじゃああんたさぁ、あたしを泣き止ませるためなら、何でも出来るわけ?」 356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 22 15 12.87 ID qTavd8nf0 [20/22] 俺は頷く。 桐乃は一瞬怯むように肩を震わせて、ぎり、と下唇を噛み、 「じゃあ……………………黒いのと、別れてよ」 「それは……」 言い淀むと、桐乃は勝ち誇ったような笑みを、涙で濡れた顔に浮かべて、 「ほら、どうせ出来ないんでしょ? 撤回していいよ。あんたが口先で言ってるのは、最初から分かってたし――」 「待てよ。俺はまだ何とも言ってねえだろ。 それに答える前に、ひとつだけ、どうしても訊いておきたいことがあるんだ」 「な、何?」 「お前はどうして、俺と黒猫に別れて欲しいんだ?」 381 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 23 14 51.01 ID qTavd8nf0 [21/22] 「そ、それは……っ」 攻守が反転する。 ただ単純に、自分の兄貴と友達が付き合うのが許せないという理屈が通らないのは、 桐乃も重々承知しているはずだ。 いつまでも口を噤んだままの妹に、俺は尋ねた。 「お前、俺のことが好きなのか?」 燃え上がった後悔の炎は、そのすぐ後で、清涼感にも似た開放感に吹き消される。 もう元には戻れない。でも、それでいい。 ずっとその真偽を確かめたくて、答えを知るのがどうしようもなく怖くて、 『その質問をする状況』から、俺はこれまでみっともなく逃げ回っていた。逃げ切れた気でいた。 瑠璃と付き合う選択をすることで、 もし仮に『桐乃が異性として俺のことが好き』だったとしても、 自然とそれを諦めてくれるだろうという後ろ暗い打算があった。 396 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/27(月) 23 40 18.64 ID qTavd8nf0 [22/22] 「あたしは……あんたのことが……あんたのことなんか……っ」 桐乃は顔を真っ赤にして、苦しそうに言葉に喘ぐ。 もしも桐乃が『異性として』俺のことが好きで、 そのために瑠璃と別れて欲しがっているなら……、俺はその気持ちには応えられない。 確かに俺は、桐乃が泣いている姿は見たくないと言った。 でも一時的に『妹の涙を止める』ことが、『妹を不幸せ』にする未来に繋がるなら、 俺は妹が――桐乃が自分で泣きやんで、自分の力で歩き出すまで見守る道を選ぶ。 もしも桐乃が『兄として』俺のことが好きで、 そのために瑠璃と別れて欲しがっているなら……、俺は……。 「分かんない」 桐乃は涙をポロポロ零しながら、叩きつけるように叫んだ。 「あたしは自分でも、あんたのことをどう思ってるのか分かんないのっ!」 「なっ」 完全に想定外の答えに、またしても攻守が逆転する。 わ、分からないってお前……自分の心に尋ねればすむ話だろうがよ! 403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 00 03 31.13 ID pcN/w9Iq0 [1/30] 「わ、分かんないことは分かんないんだから、しょーがないでしょ!?」 桐乃はぐしぐしと両手の甲で目を擦ると、キバを剥いて睨み付けてくる。 そして出し抜けに立ち上がると、乱暴に本棚をスライドさせて襖を開き、 オタクグッズを掻き分けるようにして"あの段ボール箱"を取り出した。 通信簿や運動会のワッペン……あの段ボール箱に入っているのは、 桐乃が過去の自分と向き合い、初志に立ち帰るためのアイテムだ。 唖然とする俺を余所に、桐乃は段ボール箱のフタを開けアルバムを取り出すと、 「見て!」 「は、はぁ?」 いきなりなんだってんだよ。 今の話と、お前の『陸上を始めた理由』のどこに関係があるってんだ? 「いいから!見て!」 物凄い剣幕に押されて、アルバムを受け取る。 439 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 03 16 51.23 ID pcN/w9Iq0 [2/30] もう二度と見ることはないと思っていた。 桐乃が留学する日の未明、そのチャンスを、自分でふいにしてしまったから。 アルバムの表紙を開く。 果たしてそこにあったのは、幼い頃の桐乃と俺の二人か、俺一人だけが写っている写真ばかりだった。 大きな毛布にくるまり、抱き合って眠っている二人。 リビングで頬をすり寄せ合って笑っている二人。 親父の竹刀を振り回している俺。 庭に設えたビニールプールで水を掛け合っている二人。 玄関の前でランドセルを背負いVサインをしている俺。 ブランコに乗った桐野と、その背中を押してやっている俺。 砂浜で砂のお城を作っている二人。 揃ってランドセルを背負い、玄関の前に立っている二人。 運動会の徒競走でゴールテープを切っている俺……。 ブレの有無で、お袋と親父のどちらがシャッターを切っていたのか分かる。 ふっくらと丸い顔に天真爛漫な笑みを咲かせた桐乃は天使のように愛らしく、 俺はガキのくせに真面目腐った、なんつーか、今の俺もよりもずっと桐乃の兄貴らしい顔をしていた。 眠っていた記憶が呼び覚まされていく。 465 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 09 18 47.83 ID pcN/w9Iq0 [3/30] 俺はこれらの写真が撮られた瞬間を覚えている。 現像された写真を親父やお袋に見せてもらった記憶もある。 だが以前親父に桐乃の趣味を認めさせようと親父のアルバムを持ち出したとき、 そこに俺が写っている写真は一枚もなくて、 ああ、どうせ桐乃に比べれば俺なんて……と軽いショックを覚えたりもした。 「お前が持ってたんだな」 俺の正面にぺたんと座り込んだ桐乃は、さっと目を逸らし、ややあってから頷く。 理由を聞くのは後でもいい。とりあえず最後まで目を通すか。 ぱらぱらと頁を捲っていくと、アルバムの中程で、唐突に終わりが訪れた。 最後の一枚に写っていたのは、 碧眼を眇め、悔しげな表情でバトンを握りしめて佇立している体操着姿の桐乃だった。 胸のゼッケンには『2-2』の文字。 確かこの頃の桐乃はまだ全然足が遅くて、 だからこれはきっと、桐乃がリレーで負けちまった時の写真なんだろう。 背後の勝者と思しき男の子の喜びようがコントラストとなって、 余計に哀愁を誘う一枚に仕上がっている。 「これで終わりかよ……?」 お前の輝かしい勝利の記録は? 「写真はそれで終わり。次の年からビデオになったから」 467 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 09 34 37.18 ID pcN/w9Iq0 [4/30] 「ああ、そうだったっけ。 で……お前がこのアルバムを俺に見せた理由は何なんだ?」 「あたしが陸上始めたのはさ、あたしがまだ小学生で、足が遅かった頃に、 超ムカつくことがあったからって、前に言ったじゃん?」 質問に質問で返すなよな。 「聞いたよ。その超ムカつくことが何かは聞いてないけどな」 桐乃は言葉を選ぶように口籠もり、 しかしそれ以外に適切な言い方を思いつかなかったのか、 「そのアルバム見たら分かると思うケドさぁ、 小さい頃のあたしたちって、き、気持ち悪いくらい仲良かったよね?」 気持ち悪いくらい、は余計だろ。 「あんたはあたしのことが大好きで、 あ、あたしも兄貴のことがそれなりに好きで、 どこに行くのも一緒で、何をするのも一緒だった……よね?」 当時の記憶はほとんど残っちゃいねえが、 まあ、このアルバムを見る限り、俺たちは仲睦まじい兄妹だったんだろうな。 471 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 09 52 14.54 ID pcN/w9Iq0 [5/30] その関係が拗れることなく続いていれば、 俺たちは赤城兄妹のように、普通に仲の良い兄妹になれていたのかもしれない。 「よく公園に遊びに行ったの、覚えてる?」 「さっきの写真にも写ってた公園か?」 「そ」 俺はアルバムを逆向きに捲り、桐乃がブランコに乗り、 俺がその背中を押している写真を見つけ出す。 背景を見る限り、敷地はかなり広いようで、ブランコの他にもシーソーや回転式の遊具が見える。 少なくとも近所の小さな公園で無いことは確かだ。 「これ、どこの公園なんだ?」 「中学校の近くにあるでしょ。あんたが……ホラ……あやせを説得してくれた、あの公園」 嘘つけ。 あそこは公園と呼ぶのも躊躇われるほど何もない殺風景な場所で、こんなブランコ――。 「撤去されたの。何年か前に小さな子が遊具で怪我して、その親が大騒ぎしてさ。 結局、残ったのは鉄棒と砂場だけ」 476 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 10 08 34.53 ID pcN/w9Iq0 [6/30] 桐乃は小さく洟を啜って、 「やっぱり、覚えてるワケないよね」 これだけ言われても、思い出せないものは思い出せない。 「すまん」 「謝んなくてもいいよ。 あんたの記憶はあたしよりも三年分劣化してるんだから……、忘れてても仕方ないと思うし」 ムカつくけど、と付け加える桐乃。やっぱ怒ってんじゃねえか。 「小さい頃のあたしはさ、友達作るのが苦手でさ、 家に帰ったら兄貴の後についてばっかりだったんだ。 兄貴と一緒に遊ぶのが楽しくて……、兄貴がいれば、友達なんていらないと思ってた」 桐乃はそこで一瞬、チラ、と俺を恨みがましい目で見て、 「でも、あんたはあたしのことを裏切った」 「う、裏切った?」 「いつもみたいにあんたと一緒に公園に行ったら、 そこにあんたの友達がいて……、あんたはあたしじゃなくて、友達と遊ぶのを選んだのっ」 482 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 10 30 23.55 ID pcN/w9Iq0 [7/30] 幼稚な裏切りだな、と一笑に付しかけて、自己嫌悪に陥った。 当時の桐乃にとっては、俺は兄貴であると同時に、唯一の友達だったんだ。 「あたしはあんたに置いてかれるのがヤで、あんたとあんたの友達の後についてった。 そしたらあんたがすっごく怖い声で『帰ってろ』って言って、 それでもあたしがついていったら、あんたと友達が走り出して、 足の遅いあたしはすぐに兄貴たちの姿を見失って……そんなことが何度もあったの」 たぶん、俺は本気で桐乃のことをウザがっていたわけではないんだろう。 だが同年代の友達と遊ぶことと、幼い妹の相手をすることを天秤にかけたとき、下がるのは当然前者の皿で、 それから少なからず、友達の前で妹を優先するのが気恥ずかしかったに違いない。 俺を見失い、半泣きで一人帰路を歩む桐乃の姿を想像する。 「ごめんな、桐乃」 無意識のうちに謝っていた。 「……遅いよ、馬鹿」 488 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 11 01 28.35 ID pcN/w9Iq0 [8/30] 桐乃は懐古するように遠い目になり、 「あたしが走る練習始めたのは、それから。 運動会のリレーでビリになることよりも、 あんたに置いてかれたことの方が、よっぽど悔しくて、悲しかった。 小さい頃のあたしは単純でさぁ、兄貴たちに追いつければ、 また一緒に遊んでもらえると思ってたんだよね。 馬鹿みたいだケド……、本気でそう思ってたんだ」 くすっ、と笑い声を挟み、 「そしたら何勘違いしたのか知んないケド、 あんたがあたしに、どうやったら早く走れるようになるのか、色々教えてくれたんだよね。 結局、あたしが兄貴たちに追いつけるくらい足が速くなる前に、 あたしにも仲の良い友達ができて、走る練習をやめようかな、って思ってたところに、運動会があったんだ。 あたしが三年生で、あんたは六年生で……、 一緒に参加できる最後の運動会だから、 せめてどれだけあたしの足が速くなったか見てもらおうと思ったの」 桐乃ははにかみながら、手に隠し持っていたiPodを俺に手渡した。 496 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 11 21 38.87 ID pcN/w9Iq0 [9/30] 「見て」 見て?そこは「聞いて」が適当なんじゃないかと訝しみつつ、 イヤホンを片耳に挿し、クリックホイールを操作して再生した瞬間、 俺はiPodが『音楽』だけではなく、『動画』も再生できるツールに進化していたことを思い出した。 iPodの画面に、幼い桐乃の姿が映し出される。 テレビで再生したものを直に撮り直したんだろう、 画質は最低だが、これが運動界のワンシーン――桐乃の徒競走――であることは分かる。 『桐乃ー、がんばってー』 がやがやとした喧噪に混じって、若かりし頃のお袋の声が聞こえる。 ビデオカメラを回しているのは親父と考えて間違いなさそうだ。 桐乃がスタートラインに着く。 まだクラウチングスタートを知らない桐乃は、ただ体を前に傾け、ひたとゴールテープを見据える。 そして――乾いた空砲の音が轟き、走者が一斉に駆けだした。 505 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 11 48 17.22 ID pcN/w9Iq0 [10/30] 所詮、小学三年生の駆けっこだ。 走者の身体能力に差はほとんどなく、 走る練習をしていた桐乃が上位に食い込むのは容易いはずだった。 なのに……桐乃の足は悲しいほど遅く、みるみるうちに前の集団から離されていく。 リアと桐乃の勝負を見ていた時と、そっくり同じ感覚が腹の底から沸き上がってきた。 くそっ、応援してやりてえ。 頑張れと、負けるなと、諦めるなと、まだ追いつけると、大声で叫んでやりたかった。 現在と過去を隔てる液晶ディスプレイの前で歯がみしたその時、 『がんばれぇーっ、いけーっ、桐乃ーっ!』 喧噪を切り裂いて、誰かの絶叫が木霊した。 親父は桐乃を追いかけるので精一杯で、その誰かの顔は映らないが、俺には分かる。 ――こいつは桐乃の兄貴だ。 『負けるなぁーっ!抜けーっ!最後まであきらめんな桐乃ーっ!』 ほら、その証拠に俺が言いたいことを全部言っちまいやがった。 510 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 12 19 33.21 ID pcN/w9Iq0 [11/30] 俺の祈りが届いたのか、はたまた緊張で忘れていた走り方を思い出したのか、 桐乃の体がぐんぐん加速していく。まるで桐乃の背中にだけ追い風が吹いているかのようだ。 あっという間に一人を抜き去り、もう一人の背中に追いついたところで――ゴール。 五位、か。段ボールに入っているワッペンの数字どおりの結末だ。 そこで動画は終わっていた。 俺は桐乃にiPodを返し、 「100メートル走ならお前が一位だったな」 「ぷっ、いいよ。今更慰めてくれなくても」 桐乃はiPodを大切そうに両手で包んで、 「あんたの応援、ちゃんと聞こえてたから。 あたしが最後に早くなったのは、あんたのおかげ」 照れ臭くなった俺は頬をポリポリ掻きつつ、 「あれはお前の実力だろ」 「ううん。それだけじゃない。 嘘言っても仕方ないから、言うね。 あ、あたしさ……、なんでか分かんないんだケド、 あんたに応援されると、いつも以上に頑張れるんだ」 520 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 13 31 35.18 ID pcN/w9Iq0 [12/30] 桐乃は俯き、 「あの時あんたが応援してくれて、すっごく嬉しくて、気持ちよくて、 たぶんその気持ちが、走ることに結びついたんだと思う。 だからあたしの陸上の原点はあんたで……その原点を記録したコレは、あたしにとっての宝物なの。 スランプになったときや、走るのが辛くなったときは、コレを見るんだ。 あはっ……あんたからしたら、超キモいよね?」 中学に上がって、陸上部に入った桐乃は、 親父やお袋だけじゃなくて、俺にも大会を見に来て欲しかったに違いないんだ。 俺たちは小さな頃の擦れ違いをそのままにしたまま、成長してしまった。 桐乃は裏切られた記憶をいつまでも忘れられず、 俺は裏切った記憶をいつのまにか忘れてしまって。 物心ついた桐乃は素直に兄貴に甘えられなくなり、 妹にコンプレックスを抱えた俺は妹を避けるようになり。 『仲直りしよう』 一番言いたかった言葉は、時間が経てば経つほど、絶対に言えない言葉になっていった。 527 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 14 55 55.30 ID pcN/w9Iq0 [13/30] 「去年の春に人生相談するまで、あんたはあたしのことが大嫌いで、 同じ家にいても他人同然で、あんたが家を出たら、 本当の本当に他人みたいになっちゃうんだと思ってた」 襖の奥のオタクグッズを一瞥して、 「けどあんたは……あたしの相談に乗ってくれた。 あたしが友達探すの手伝ってくれて、 お父さんと喧嘩してまであれを守ってくれて……他にも色々してくれたよね。 それで、人生相談を続けていくうちに、また昔みたいに戻れるカモって思った。 もう一度あんたのことを好きになれるカモって」 桐乃の告白は、俺の考えていたことと全く同じだった。 桐乃の我が儘を、面倒だ、鬱陶しい、と言いながらも叶えてやっていたのは、 俺が桐乃と仲直りしたかったからだ。桐乃のことをもう一度好きになりたかったからだ。 「あんたが留学してたあたしを連れ戻しに来たとき、どうしてあたしが帰ることにしたか分かる?」 「……俺がお前がいないと寂しくて死ぬって言ったからか?」 「そ、それは……違わないけど、違う……」 どっちだよ。 「あー、じゃあお前がリアに言った台詞そのまま借りるけど、 こっちにお前の大切なモンがたくさんあって、それがお前の原動力、だからか?」 534 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 15 59 43.07 ID pcN/w9Iq0 [14/30] 桐乃はまたしても首を横に振り、 「日本に帰れば、あんたがあたしのことを見てくれるって、 あの時みたいにあたしを応援してくれるって、はっきり分かったから。 こっちに来たリアと中学校で競争して、あんたに応援されて再確認した。 あのね、あたしさ……弱く、なっちゃったんだ……」 「弱くなったって、どういう意味だよ?」 「あたしはもう…………なきゃ…………ダメなの」 枯れていた涙が、再び目の縁から溢れ出す。 桐乃は嗚咽を必死で堪えながら、 「あたしは……あたしはもうっ……あんたに見ててもらわなきゃダメなのっ……!」 「な、何言ってんだよ。俺はいつでもお前のことを」 見てるじゃねえか、と言い終える前に、桐乃が涙混じりの言葉を投げつけてくる。 「見てないっ!」 怯んだ俺に、桐乃は畳みかけた。 「黒いのと付き合いだしてから、あたしのこと、全然見てくれてないじゃんっ……! どうせっ……どうせあたしのことなんか……どうでもよくなっちゃったんでしょっ……!?」 542 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 16 31 53.87 ID pcN/w9Iq0 [15/30] なんだその言い草。 あれだけ自分から俺を拒絶するような態度とってたくせによ。 やっぱり構って欲しかったんじゃねえか。 「俺がここ最近、お前のことを避けてたのは……」 ああ、クソ。 なんでよりにもよって一番言いたくない相手にこんなことを言わなくちゃならねえんだろうな。 「お前に……兄離れして欲しかったからだよ!」 「あ、兄離れ?」 「ああ、そうだ! お前は自覚なかったのかもしれねーけど、ここ最近のお前は、俺にベタベタしすぎなんだよ!」 普段から人のことシスコンシスコン馬鹿にしてるけどな、 「お前も立派なブラコン――ぶはっ」 痛ぇ!何しやがる!? 俺の胸をボカッと一発殴った桐乃は、 「ブ、ブラコンの何が悪いワケ!? むしろシスコンのあんたからしたら好都合だよね!? なんでまた距離置こうとするの!?そんなの、おかしいじゃんっ!」 545 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 16 52 43.47 ID pcN/w9Iq0 [16/30] 「俺は怖かったの! お前に、純粋に兄貴としてじゃなくて、 その……まあ……なんだ……一人の男として好かれてたらどうしようかと――ぐはっ」 パンチ二発目頂きました。 誰も心臓マッサージは頼んでねえよ! 「あ、ああ、あたしがあんたのことを……ひ、一人の男として……?」 桐乃は舌を激しく縺れさせ、 「そ、そんなこと……」 あるワケないじゃんマジエロゲ脳キモすぎ死なして九十九里浜に埋めるよ?とは続けずに、 「……分かんない」 またそれかよ! とりあえずは俺を安心させるために『兄妹としての好きだよ(ハート)』って言っとけや。 なんで禁断の愛の可能性を残すの?ねえ、なんで? 559 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 17 24 11.11 ID pcN/w9Iq0 [18/30] 「あ、あんたと疎遠だった時間が長すぎたから、 自分でもあんたへの『好き』がどういう『好き』なのか分かんないのっ! た、多分……兄妹としての『好き』なんだとは……思う……ケド?」 "多分"と最後の疑問符が余計だが……まあ、今のところはそれで納得しといてやるか。 「で……、話を元に戻すけど、 お前は……俺に見てて欲しい……んだよな?」 桐乃は顔を真っ赤にして、しかし力強く頷く。 俺は言った。 「俺はいつでもお前のことが心配で、いつでもお前のことを応援してる。 それは黒猫と付き合っても、何も変わらねえよ。……なぁ、それじゃダメなのか?」 数秒の沈黙。 やがて桐乃は、膝をついて俺の傍に寄ってくると、 ライトブラウンのつむじを俺の胸に預け、 「一番じゃ、ないんでしょ?」 ぽす、とまともに握ってもいない拳で叩いてくる。 「一番じゃなきゃ、ヤなの」 そして桐乃は、俺がこれまで聞いた中でも、史上最大級の我が儘を口にする。 「黒猫はあたしの友達で……友達だから……あんたのことが本気で好きなのも分かってるっ……! でも……ヤなのっ!あたしよりも黒猫の方が大切にされるのが……ヤなのっ……!」 577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 18 02 36.24 ID pcN/w9Iq0 [19/30] そっか。お前の気持ちはよく分かったよ。 「あんた、男と付き合うのなんてやめて欲しいって……この前あたしに言ったよね……。 なのに……自分は黒いのと付き合うなんて……そんなの、ズルい! あたしだって……あたしだってっ……!兄貴に、女と付き合うのなんてやめて欲しいっ……!」 Tシャツは涙でぐしょ濡れだ。 ぽかすかと殴りつけてくる桐乃の頭に手を乗せて、小さな子をあやすように撫でてやる。 そうしていると、ずっと昔にも、こんなことがあったことを思い出した。 転んで膝を擦り剥いた桐乃を、 雷に怯えた桐乃を、 親父に叱られた桐乃を――俺はこんなふうに慰めてやっていたんだ。 妹が泣いたら、泣き止ませるのが兄貴の仕事で、 妹が離れるその時まで、我が儘を聞いてやって、しっかり護ってやらなきゃならない。 そうだったよな、赤城。 「なあ、桐乃。お前に約束してほしいことがあるんだ――」 613 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 20 11 32.17 ID pcN/w9Iq0 [21/30] 「イヤあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!晒しスレが立ってるぅぅぅぅぅぅ!!!!」 ムンクの叫びのように両手を頬に当てて絶叫する少女の名前は赤城瀬菜。赤城の妹だ。 俺は真壁君と顔を見合わせ、今は触れないほうがいい、と無言で合意を終えた。 だというのに瑠璃は横目でチラと瀬菜を見遣ると、 「あなたは相も変わらず騒がしいわね。 またわざわざネットから批判を蒐集して発狂しているの? 被虐趣味も大概にしておきなさいよ。耳障りだから」 あーあ触れちまった。瀬菜はキッと瑠璃を睨め付けて吠えた。 「五更さんは批判され慣れてるかもしれないですけどっ! あたしには全っ然耐性ができてないんです!」 「おい赤城ィ、お前ちっと声のトーン落とせよなぁ。この前も隣の部室から苦情が……」 「部長は黙ってて下さい。 あと壊滅的に臭いので可及的速やかに全身を殺菌洗浄してきてください」 部長はのっぺりした前髪を摘みながら、 「ハァ?一昨日シャワー浴びたばっかりだぜぇ?」 「真壁せんぱい、ファブリーズをお願いします」 618 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 20 32 47.14 ID pcN/w9Iq0 [22/30] 両手にファブリーズを携え、距離を詰めていく真壁くん。 「オイ真壁てめぇ、まさかチョクで吹きかけるつもりじゃねえだろうな!?」 「きちんと毎日お風呂に入らない部長が悪いんですよ。汚物は消毒です」 シュッシュッ。真壁くん容赦ねえな。 「ギャーやめろ!やめろって!今すぐ水浴びしにいくから」 部室を飛び出していく部長には目もくれず、 瀬菜はマウスのホイールを回しては呪詛を吐く作業を再開している。 匿名批評者の槍玉に挙げられているのは、 ゲー研が夏コミ一日目で販売した創作物だ。 制作の根幹にはもちろん瑠璃と瀬菜が関わっていて、 煽られ慣れていない瀬菜が発狂するのはもはや恒例行事になりつつある。 「キィームカツク!ああぁー悔しいっ! こいつら人間じゃないです!人の皮を被った悪魔です!」 「なら悪魔も納得させるようなゲームを作るまでよ」 瑠璃にすげなく言い換えされた瀬菜は、ぐぎぎと歯を食いしばり、 文句の聞き役を探して部室を見渡し、標的を俺に定める。 「ねー高坂先輩。聞いてくださいます~?」 「真壁くんに聞いてもらったらどうだ?」 621 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 21 04 53.09 ID pcN/w9Iq0 [23/30] 真壁くんはニッコリ笑って、 「僕でよかったら聞き役になりますよ。悔しい気持ちは僕も一緒ですし」 「真壁せんぱぁい……」 真壁くんと瀬菜の仲を取り持つ俺マジGJ。 瀬菜は男からのアピールに鈍そうだし、真壁くんは積極性に欠けるからな。 これで実は既に付き合ってる、とか言われたらビックリだけどよ。 今度それとなく真壁くんに聞いてみっかな。 ------- 昇降口を出たところで、瑠璃は何も言わずに手を絡めてきた。 「お、おい。誰かに見られたらどうすんだよ」 「何も怖れることはないわ。 半径五メートル以内の空間に『頻闇の帳(ブラインドフィールド)』を展開しておいたから。 で、今日はどこに連れて行ってくれるのかしら?」 瑠璃は上目遣いに尋ねてくる。 今日は部活に参加した後、途中で抜けて、制服デートを楽しむ約束をしていたのだ。 俺は言った。 「その前に……さ。瑠璃に話があるんだ」 期待の光を宿していた瑠璃の双眸に、翳りが差す。 632 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 21 29 39.30 ID pcN/w9Iq0 [24/30] 「それは歩きながら話せるような話ではないの?」 「ああ。できるならどこか、落ち着いた場所で話がしたい」 「………そう。なら誂え向きの場所を知っているわ」 瑠璃はきゅっと下唇を噛むと、俺の手を引いて、校門とは逆方向に歩き出した。 果たして辿り着いたのは校舎裏のベンチで、俺たちはそこに手を繋いだまま腰掛けた。 日陰を吹き抜ける涼風に汗が引いていく。 グラウンドから響く運動部のかけ声と、葉擦れの音以外には何も聞こえない静謐なこの場所は、 俺と瑠璃にとっては思い出深い場所でもある。 「…………」 話がある、と言い出しておきながらダンマリを決め込んだ俺に、 瑠璃は辛抱強く付き合ってくれた。 唇を湿らせ、覚悟を決める。 しかし俺が舌先に言葉を載せる直前に、 「別れよう」 えっ? 「そう、言いたかったのでしょう?」 650 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 21 49 10.44 ID pcN/w9Iq0 [25/30] 「なんで……」 と呟きを漏らすのが精一杯の俺に、瑠璃は訥々と言葉を重ねていく。 「わたしと二人きりになった途端に、 あんなに悲愴で、沈痛で、哀切の漂う表情をされれば、厭でも察しが付くわ。 で、わたしの勘は当たっていたのかしら?それとも外れていたのかしら?」 否定できない。ああ、その通りだ。 確かに俺は今日、お前に別れを切り出すつもりでいた。 沈黙は肯定と同義で、瑠璃はふんと鼻を鳴らし、 「どうやら図星だったようね。 理由は……十中八九、あなたの妹に泣き付かれたからでしょう? そろそろ頃合いだと思っていたのよ。 あなたが折れるか、あの女が素直に欲望を吐露するか、のね」 全ては想定内だと言わんばかりの語り口だった。 そして今のところ、瑠璃の言っていることはほとんど正鵠を得ている。 673 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 22 11 56.27 ID pcN/w9Iq0 [26/30] 「三日と少し……よくもったほうだ、と言うべきなのかしら。 いずれにせよ、短い幻想(ユメ)だったわね。 ふふっ、あなたを家に呼んだときに既成事実でも作っておけば、 わたしは今も幻想(ユメ)を見続けることができていたのかしら」 瑠璃は清々しい表情でそう言い放ち、立ち上がろうとする。 でも、俺は瑠璃が手を解くのを許さなかった。 ……このまま行かせてたまるか。 「離して頂戴」 瑠璃は振り返らずに言う。 「安心しなさいな。 わたしがあなたと付き合っていたことは、 一夏の思い出として、胸の内に仕舞っておいてあげるから。 ベルフェゴールや沙織にはまだ何も伝えてないのでしょう? なら、何も問題はないわ。あなたはこれまで通りの日常に回帰――」 力に任せて、無理矢理振り向かせた。瑠璃は咄嗟に俯く。 それでも瑠璃がこちらに顔を向けた一瞬、たしかに俺は瑠璃の眦に大粒の涙を見た。 なに、物わかりのいい彼女演じてんだよ。 全然納得できてねえんじゃねえか。 698 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 22 43 38.14 ID pcN/w9Iq0 [28/30] 「なぜわたしを止めるの? まだ何か不満なら、どうぞ言ってごらんなさいな」 不満?大ありだよ。 俺は言った。 「お前の言ったことは、大体当たってる。 桐乃は……あいつは、俺がお前と付き合うのがどうしても許せないらしいんだ。 俺がお前に取られる気がするんだと……まるっきりガキの理屈だよな」 ホント、中学三年にもなって、兄貴に彼女作るなとかどんだけブラコンなんだって話だよ。 「でもさ、俺は桐乃の我が儘に耳を塞げなかった。無視できなかった。 元を辿ればさ、あいつがそんなことを言い出した原因は俺にある。 俺は随分長いことあいつをほったらかしにしてきて、 そっからこれまでの空白期間を埋めるみたいに、あいつに構っちまった。 自分で言うのもなんだけどさ……、今のあいつには、俺が必要なんだ。 あいつは俺が見てなきゃダメになっちまうんだよ」 「ふっ、妹を想う兄の鏡ね。シスコンとブラコン、最高の組み合わせじゃない?」 俺は瑠璃の震えた声には応えず、 「でも、俺だっていつまでもあいつのことを見ていられるわけじゃねえ。 だから桐乃に約束させた。 もしも桐乃に、桐乃のことを俺よりも大切にしてやれる奴ができたら――その時はお役ご免だってな」 716 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 23 05 39.50 ID pcN/w9Iq0 [29/30] 「あなたは当然、その約束があなた自身を縛ることにも気づいているのでしょうね」 「ああ、分かってるつもりだ」 桐乃に彼氏ができるまで、桐乃を誰よりも大切にすることは、 桐乃に彼氏ができるまで、俺が彼女を作れないことと同じ意味だ。 それを承知で、俺は桐乃と約束を交わした。 「それで……」 瑠璃は繋いだ手に力を込めて言った。 「あなたはわたしに、あの女に彼氏ができるまで待っていろと言うの?」 779 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/28(火) 23 47 47.74 ID pcN/w9Iq0 [30/30] 「……待っててくれ、とは言わない」 お前が誰か他の奴のことを好きになっても仕方ないし、 その時に、俺がお前に文句を言う資格もない。 だから、 「もしも桐乃に彼氏ができたら、"俺"が"お前"に告白する」 お前が俺に愛想を尽かしていたら、遠慮無く、こっぴどく振ってくれていい。 もしも一分でも好きな気持ちを残してくれていたら、その時は……。 どちらにせよ、選ぶ権利は瑠璃にある。 その選択権さえ放棄したいなら、それでも構わない。 俺はもう……瑠璃に嫌われるには、充分すぎるほど最低なことをした。 813 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/29(水) 00 17 37.32 ID MBV6f3cx0 [1/4] 「ごめん」 俺は手を解き、目を瞑って頭を垂れる。 長い長い沈黙があった。 目を開けばそこに瑠璃の姿はなく、 一人ベンチに取り残されているのではないかと疑うほどの静寂があった。 「卑怯よ」 瞼を開く。瑠璃はまだそこにいてくれた。 「そんなことを言われては、あなたを責めるに責められないじゃない」 「瑠璃……」 「さっきも言ったでしょう……三日と少し……よくもったほうだ、と。 あなたに別れを切り出されるのは、所詮時間の問題なのだと、わたしには初めから分かっていた」 瑠璃はスカートの前で、こぶしをぎゅっと握りしめて、 「告解するわ。わたしは……わたしはあなたとあなたの妹の微妙な関係を利用したのよ。 あなたは『妹から異性として好かれている』可能性を怖れていた。そうでしょう? それが真実か否か確かめる状況から逃げる『手段』として、わたしと付き合う選択肢を意識させた。 あの時、あなたはわたしのことが好きだから、 わたしの告白を受け入れると言ってくれたけれど……。 実際は、それが唯一の理由ではなかったはずよ」 828 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/29(水) 00 29 58.95 ID MBV6f3cx0 [2/4] そうだ。 俺は桐乃との関係を、自分でも自信が持てなかった可能性を指弾されて、 都合良く目の前にあった逃げ場に駆け込んだにすぎない。 瑠璃のことが好きだという気持ちに嘘はない。 けれど俺は、その気持ちを最後まで吟味することなく、性急に答えを出してしまった。 いや、出すことを強いられた、というのが正しいのか。 「わたしもあなたも、打算的だったわ。 そんな不純なきっかけで始まった恋人関係が長続きするわけがない。当然の帰結ね」 でも、と瑠璃は続ける。 「それでもわたしは……あなたの恋人になりたかった。 たとえ純粋な気持ちからではなくても、あなたがわたしを選んで、 そのままわたしを選び続けてくれる極小の可能性に賭けた」 882 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/29(水) 01 13 35.88 ID MBV6f3cx0 [3/4] そうまでして瑠璃が俺の恋人になりたかった理由は……考えるまでもねえよな。 「ねえ、正直に応えて頂戴ね。 あなたがわたしに告白をしなおすというのは、筋を通すため? それとも……あなたが本気でそうしたいと思っているから?」 俺はありのままの気持ちを口にする。 「本気でそうしたいと思ってるからだ」 桐乃を避けていた理由は、兄離れをさせたかったのと、 それと何より、瑠璃と別れるのが嫌だったからだ。 俺は瑠璃と恋人でいることに、他の何にも代え難い幸福感を覚えていた。 順序が逆かもしれねえけど、付き合ってからハッキリ気づいたんだ。 「俺はお前のことが好きだよ。手放したくなんかない」 「わたしもあなたのことが好きよ。別れたくなんかないわ」 「じゃあ瑠璃は……待ってくれるのか?」 「待つ、という言い方は適当ではないわ。 そうね、言うなればこれは契約の"一時解消"よ」 瑠璃は――黒猫は両手の指で目を擦り、艶然と笑んで言った。 「だから、もしもあの女に相応しい彼氏ができたときは……その時は再び、闇の契りを交わしましょう?」 989 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 02 34 37.23 ID MBV6f3cx0 八月二十八日。 夏休みも後数日を残すところとなり、 世間の怠惰な受験生はこれまでの遅れを取り戻すべく必死になっているんだろうが、 勉強の出来る心強い幼馴染みのサポートを受けている俺に焦りは無縁で、 友人家族と一緒に県外くんだりまで出かける余裕さえある。 「京介~、あの子の出番いつなの~? もう走り終わっちゃったんじゃないの?」 双眼鏡を覗きながらお袋が言った。 「もうすぐだろ。親父、ビデオの準備は?」 「む、完了している」 普通に出来てるって言えよな。 隣の沙織はくっくっくっと喉を鳴らして、 「きりりん氏のご両親は愉快な方たちですなぁ」 愉快て。 「もちろん誉め言葉でござるよ? それにしても、ずいぶん準備に時間がかかっているご様子……」 沙織は手を庇にして首を前に突き出す。 視力云々以前に、そのぐるぐる眼鏡でどこまで先の物が見えているのかと尋ねたい。 「る……黒猫、お前は大丈夫か?相変わらず汗一つかいてねーけど」 「だから、わたしは薄い妖気の膜を――」 「ほらよ。お袋が持ってきたの貸してやるから」 990 以下、名無しにか - 2010/12/29(水) 02 35 14.11 ID MBV6f3cx0 俺は有無を言わさず日傘を差して、黒猫に手渡す。 「あ、ありがとう」 はにかみ、顔を赤らめる黒猫。 「京介氏は黒猫氏には優しいんですなぁ?拙者、嫉妬してしまいますぞ?」 「お前はたっぷり汗かいてるから大丈夫だろ」 口をω(←こんなふう)にして憤慨する沙織。 人の機微に敏感なコイツのことだ、俺たちに何か秘め事をされていることには、とっくに気づいているのかもしれない。 少なくとも桐乃が塞ぎ込んでいた期間、あやせと同じように、沙織も桐乃の異常に気づいてたに違いないのだ。 いつか、説明しなくちゃならない時が来る。 でも今は……その時が来るまでは、沙織の思いやりに甘えておこうと思う。 「あれではないかしら?」 ぽそりと黒猫が言った。皆が一斉にその視線を辿り、赤茶色のトラックの上に整列する群衆の上に、探していた人影を認める。 均整の取れた体。すらりと伸びた長い足。ライトブランの豊かな髪は走りの邪魔にならないよう、綺麗に結わえられている。 緊張に強張っていた顔が、こちらに向き……満面の笑みに変わる。 大きく手を振る桐乃。俺たちは全員でそれに応えてやった。 今日は桐乃にとって、中学最後の陸上選抜大会だ。桐乃が今、他の走者と共にスタートラインに着いた。 完成されたフォームは、あの日の稚拙な構えとは比べものにならない。 乾いた空砲が蒼穹に鳴り響く。 「がんばれーっ!桐乃ーっ!」 俺はいつかの運動会と同じように、声を張り上げた。 了
https://w.atwiki.jp/preciousmemories/pages/636.html
俺の妹がこんなに可愛いわけがない 2011年7月29日発売。 BEFORE:百花繚乱サムライガールズ NEXT:魔法少女まどか☆マギカ 第10弾。2010年秋アニメ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』と劇中劇『星くず☆うぃっちメルル』のカードを収録。 全125種類。スターターデッキと同時発売。 カードナンバーは黄→青→赤→緑の順で振られている。 バニラキャラが1枚も収録されていない。 収録カードリスト ()はサインカードのレアリティ。 ☆はパラレルあり。 ◆は『星くず☆うぃっちメルル』のカード。 ※はスターターにのみ収録。 キャラクタカード ナンバー カード名 色 C S AP DP 星 01-001 《高坂 桐乃》☆ 黄 1 1 20 10 3 01-002 《高坂 桐乃》※ 4 1 40 30 3 01-003 《高坂 桐乃》☆ 0 2 - - 1 01-004 《高坂 桐乃》☆ 2 2 30 10 1 01-005 《高坂 桐乃》☆ 3 2 30 30 4 01-006 《高坂 桐乃&沙織・バジーナ》☆ 1 2 - - 1 01-007 《黒猫》☆ 3 2 20 40 3 01-008 《高坂 桐乃&黒猫》☆ 2 2 30 10 3 01-009 《高坂 桐乃》☆ 3 2 40 20 3 01-010 《高坂 桐乃》☆ 2 2 20 20 1 01-011 《高坂 桐乃》☆ 5 1 50 40 4(5) 01-012 《高坂 桐乃》☆ 2 2 20 10 1 01-013 《高坂 桐乃》☆ 1 2 30 30 3 01-014 《黒猫》☆ 2 1 40 40 3 01-015 《新垣 あやせ》☆ 3 2 30 0 3 01-016 《高坂 桐乃》☆ 3 2 40 0 3 01-017 《赤星 める》☆◆ 1 2 20 10 1 01-018 《高坂 桐乃》 3 2 30 30 2 01-019 《高坂 桐乃》 3 2 30 20 2 01-020 《高坂 桐乃》 2 2 20 0 2 01-021 《黒猫》 1 2 10 20 2 01-022 《沙織・バジーナ》 1 2 10 20 2 01-023 《高坂 佳乃》 0 1 - - 1 01-024 《高坂 桐乃&新垣 あやせ》☆ 青 3 1 30 20 1 01-025 《黒猫》☆ 3 2 10 40 3 01-026 《高坂 桐乃》☆ 0 1 - - 3 01-027 《新垣 あやせ》☆ 2 2 20 10 1 01-028 《黒猫》☆ 3 2 20 40 3 01-029 《黒猫&高坂 桐乃》☆ 3 1 30 40 1 01-030 《黒猫》☆ 1 2 10 20 1 01-031 《黒猫》※ 4 1 30 40 3 01-032 《新垣 あやせ》☆ 4 2 20 30 4(5) 01-033 《黒猫》☆ 5 1 40 50 4(5) 01-034 《高坂 桐乃》☆ 3 2 40 10 1 01-035 《新垣 あやせ》☆ 2 2 10 30 3 01-036 《高坂 桐乃&新垣 あやせ》☆ 3 1 30 30 3 01-037 《アルファ・オメガ》☆◆ 3 2 20 40 1 01-038 《アルファ・オメガ》☆◆ 2 2 20 20 1 01-039 《黒月 あるふぁ》☆◆ 1 2 10 20 1 01-040 《黒猫》 3 2 30 30 2 01-041 《黒猫》 2 2 20 30 2 01-042 《黒猫》 3 1 30 40 2 01-043 《新垣 あやせ》 2 2 30 0 1 01-044 《新垣 あやせ》 1 2 10 20 2 01-045 《田村 麻奈実》 1 1 10 10 2 01-046 《伊織・F・刹那》 0 1 - - 2 01-047 《田村 麻奈実&高坂 京介》☆ 赤 2 2 20 10 1 01-048 《来栖 加奈子》☆ 1 2 20 10 1 01-049 《新垣 あやせ&来栖 加奈子》☆ 3 2 30 30 3 01-050 《黒猫》☆ 2 2 20 30 1 01-051 《高坂 桐乃》☆ 2 2 30 10 1 01-052 《来栖 加奈子》☆ 4 2 30 30 4(5) 01-053 《田村 麻奈実》☆ 4 2 20 40 4(5) 01-054 《田村 麻奈実》※ 3 2 10 40 3 01-055 《田村 麻奈実》☆ 2 2 10 30 3 01-056 《新垣 あやせ》※ 4 2 20 40 3 01-057 《来栖 加奈子》☆ 3 2 40 20 3 01-058 《高坂 京介&田村 麻奈実》☆ 3 2 20 40 3 01-059 《高坂 桐乃&黒猫》☆ 4 1 40 40 4 01-060 《メルル》☆◆ 4 1 40 30 3 01-061 《メルル》☆◆ 3 2 30 20 1 01-062 《赤星 める》☆◆ 2 2 20 20 1 01-063 《高坂 桐乃》 1 2 0 20 2 01-064 《高坂 京介》 1 2 - - 1 01-065 《高坂 京介》 1 1 0 20 2 01-066 《来栖 加奈子》 2 2 20 0 2 01-067 《来栖 加奈子》 2 1 30 40 2 01-068 《田村 麻奈実》 2 1 0 40 2 01-069 《田村 麻奈実》 2 2 20 20 1 01-070 《星野 くらら》 0 1 - - 2 01-071 《沙織・バジーナ&黒猫》☆ 緑 3 2 30 40 3 01-072 《高坂 京介》☆ 0 1 - - 1 01-073 《高坂 京介》☆ 2 2 10 20 1 01-074 《高坂 京介》☆ 4 2 20 40 3 01-075 《沙織・バジーナ》☆ 4 2 20 40 4(5) 01-076 《高坂 桐乃》☆ 2 2 20 20 3 01-077 《沙織・バジーナ》※ 4 2 10 40 3 01-078 《沙織・バジーナ&高坂 京介》☆ 3 2 30 30 3 01-079 《こめっとくん》☆◆ 0 2 - - 1 01-080 《高坂 桐乃》 2 2 20 10 1 01-081 《黒猫》 2 2 0 30 2 01-082 《黒猫》 2 2 10 30 2 01-083 《黒猫》 4 2 10 40 3 01-084 《沙織・バジーナ》 1 2 0 30 2 01-085 《沙織・バジーナ》 4 2 30 20 1 01-086 《沙織・バジーナ》 3 2 20 20 2 01-087 《高坂 京介》 2 2 10 30 2 01-088 《高坂 京介》 2 2 - - 2 01-089 《新垣 あやせ》 2 2 10 20 2 01-090 《新垣 あやせ》 3 1 30 10 1 01-091 《田村 麻奈実》 0 1 - - 1 01-092 《高坂 大介》 0 1 - - 2 01-093 《ブリジット・エヴァンス》 2 2 20 30 2 イベントカード ナンバー カード名 色 C S 星 01-094 《兄妹同時プレイ》☆ 黄 0 1 1 01-095 《アキバ巡り》☆ 0 2 1 01-096 《DJ桐乃》☆ 1 2 3 01-097 《俺の妹がこんなに可愛いわけがない》☆ 2 2 4 01-098 《人生相談》 0 1 2 01-099 《ご機嫌ななめ》 0 1 2 01-100 《桐乃のワナ》 0 1 1 01-101 《人生相談再び》 0 1 2 01-102 《最後の一切れ》☆ 青 1 2 3 01-103 《読書中》☆ 1 1 1 01-104 《新入生のあの娘は……》☆ 1 2 3 01-105 《マスケラ~堕天した獣の慟哭~》 1 2 2 01-106 《京介の失言》 0 1 1 01-107 《凄腕ゲーマー》 2 2 2 01-108 《この変態!》 2 2 2 01-109 《メガネ属性》 0 1 1 01-110 《グラビア撮影》☆ 赤 1 2 3 01-111 《初めてのアキハバラ》 0 1 1 01-112 《星くず☆うぃっちメルル》 1 2 2 01-113 《勇気を出して……》 1 2 1 01-114 《照れ隠し》 2 2 3 01-115 《めてお☆いんぱくと》☆◆ 2 1 1 01-116 《最高の笑顔》 5 2 2 01-117 《桐乃とゆかいな仲間たち》☆ 緑 0 1 3 01-118 《バレンタインデー》☆ 1 2 3 01-119 《メイドカフェ》 0 2 1 01-120 《桐乃のお仕事》 0 1 1 01-121 《幼なじみとの登校》 1 2 1 01-122 《ふざけたクリスマスイヴ》 0 2 2 01-123 《ファンレター》 0 1 1 01-124 《桐乃VS黒猫》 0 2 2 サポートカード ナンバー カード名 色 C S 星 01-125 《オフ会の写真》☆ 赤 0 2 1 関連項目 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』 『星くず☆うぃっちメルル』 俺の妹がこんなに可愛いわけがないスペシャルパック 編集
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/38309.html
すきっぷ【登録タグ さとうもか す ニコニコ外公開曲 初音ミク 暫定歌詞 曲】 作詞:さとうもか 作曲:さとうもか 編曲:Tsudio Studio・入江陽・さとうもか 唄:初音ミク&さとうもか 曲紹介 大丸札幌店「初音ミクハロウィンパーティー」のイメージソング。 曲は大人可愛いボサノヴァとなっている。 エンジニアを中村公輔(深海スタジオ)氏が、プロデュースを入江陽(MARUTENN BOOKS)氏が、MVをG2 with CRYPTONが手掛ける。 歌詞 La la la… 今日はとてもいい日 土曜日の朝だから 目覚ましはいらないわ 会社の帰り道 いつもそっと見ていた あの靴を迎えにいくわ 今日 まるで恋みたいね 忘れられないの ショーウィンドウで笑ってるあの靴 私のもとへ来て 一緒に踊って 素敵な場所へ連れていってね きっと 微睡むのもいいね 日曜日の朝だから 美味しいコーヒー飲もう 街が笑っている 歩くだけで楽しい ショッピングでえっと何を見よう? まるで風みたいに 軽やかスキップ 雨靴を履いてあなたのもとへ 出発の私はなにより無敵 魔法は街のどこへでも落ちてるわ La la la… コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/4587.html
この記事では「俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブル」とその続編「俺の妹がこんなに可愛いわけがないポータブルが続くわけがない」を取り扱います。判定はどちらも「良作」です。 俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブル 概要 ストーリー システム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 俺の妹がこんなに可愛いわけがないポータブルが続くわけがない 概要(続) 特徴(続) 評価点(続) 賛否両論点(続) 問題点(続) 総評(続) 余談(続) 俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブル 【おれのいもうとがこんなにかわいいわけがない ぽーたぶる】 ジャンル 相談奮闘Liveアドベンチャー 対応機種 プレイステーション・ポータブル メディア UMD 1枚 発売元 バンダイナムコゲームス 開発元 ガイズウェア 発売日 2011年1月27日 レーティング CERO:B(12才以上対象) 定価 通常版:6,804円限定版:11,004円 判定 良作 ポイント ファン満足の高品質キャラゲーあやせ優遇 電撃文庫シリーズリンク 概要 伏見つかさ箸のライトノベル『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』を原作としたアドベンチャーゲーム。本作の設定は原作小説の設定とTVアニメの設定をそれぞれ継承しているため、原作ともアニメとも違うパラレルな世界観となっている。 本作の特徴として、株式会社サイバーノイズが開発したLive2Dという画像技術を採用することで、2Dのイラストの特徴を損ねず「ぬるぬる動く」立体表現に成功していることが挙げられる。 ただしLive2Dが使用されるのは2SHOT会話シーンのみで、通常の会話パートでは2Dのイラストが使用されている。 ストーリー 原作6~7巻の時間軸でのオリジナルストーリー。 原作同様、京介(主人公)視点でストーリーが展開する。 桐乃、黒猫、沙織とシスカリの大会に参加する共通パート1、麻奈実・赤城ら同級生と京都に修学旅行に行く共通パート2、 修学旅行帰還後、各ヒロインから人生相談を受ける個別パートから構成される。 システム ゲームの基本的な流れとしては、キャラの顔見せ的な位置づけの共通パートと各キャラごとの個別パートに分かれており、共通パートの進め方によって個別パートに進めるキャラが決定する。 本作の特徴的なシステムとして、O.R.Eと2SHOT会話が挙げられる。 O.R.Eは「Order Record Effect」システムの略称で、通常の会話シーンで手に入るレコードを特定のシーンで使用することで物語が分岐するシステムのこと。レコードは後述の2SHOT会話を成功させていないと入手できないものもあり、特定のレコードがないとベストエンディングを迎えられないキャラもいる。 2SHOT会話はLive2Dで描かれたぬるぬる動くキャラと一対一で(例外もあり)会話するモード。会話はオートで進行し、要所でツッコミを入れるかどうか選択することができる。会話の流れに沿って正しくツッコミを入れる(または入れない)とルートが分岐してレコードやCGが入手できたり、エンディングに影響したりする。 評価点 原作者である伏見つかさ氏が全面監修を行なっているため、原作読者がプレイしても全く違和感を感じないシナリオとなっている。 あやせ編、加奈子編、共通パート・黒猫編の一部にいたっては伏見つかさ氏の完全書き下ろしシナリオである。 そのため上記シナリオ内では原作(当時7巻まで刊行)に先駆けて一部設定や展開が披露された。また、黒猫の妹である日向・珠希に明確なキャラ付けがされたのは本作が初(ただしまだ名前はついていなかった)。 上記以外のシナリオでも、桐乃のセリフを全て直す等、伏見つかさ氏が細かなチェックを入れている。 Live2Dの採用により、原作のイメージを損なわず、ぬるぬる動く立体表現を実現している。 ゲームへの採用は本作が初となる。 全編フルボイス仕様で、主要キャラはもちろん、ほとんど出番のないブリジット・ロック等も新規ボイスを収録している。ただし地の文である京介の心の声にはボイスがついていない。 イベントCGの総数は差分なしで90枚近くあり、アルバムモードで鑑賞できる。さらにその全てのCGに対して、キャラの掛け合いコメントがついている。もちろんフルボイス。 フローチャート、バックログ、スキップ、CG鑑賞モード、クイックセーブ、オートセーブとおよそアドベンチャーゲームに必要な機能は全て揃っている。 メディアインストールを行えばロード時間もほぼ皆無。ノーストレスでプレイできる。周回プレイ前提のゲームなのでこのストレスの無さは嬉しい。 エンディングテーマソングは、アニメのエンディング曲同様ニコニコ動画での一般応募曲から選ばれたものが採用されている。アニメファンには嬉しい配慮。 エンディング曲は桐乃役の声優竹達彩奈氏が歌っているが、氏のゲフンゲフンな歌唱力もあって中毒性の高い曲となっている(作中でも電波ソング扱いされている)。 オープニング曲もアニメ同様、ClariSが歌う「irony」が採用されている。また、オープニングアニメはゲーム仕様の特別版となっている。 ミニゲームとして、脱衣ブロック崩しが収録されている。本編とは全く関連がないため、息抜きや気分転換に最適。 同じ電撃文庫のライトノベル『とある魔術の禁書目録』とのコラボ企画となっており、本作のヒロイン達が『とある魔術の禁書目録』のキャラのコスプレをしたCGがブロック崩しの背景となっている。 賛否両論点 + (ネタバレあり) あやせシナリオの優遇。 原作者が書き下ろしているあやせシナリオが他のキャラのシナリオと比べて非常に密度の濃い内容となっている。 原作では京介視点で物語が進むため、ヒロインたち、特に桐乃の内面描写が京介の主観でしか語られておらず原作者以外がキャラ同士の絡みを描くのが難しかったようで、あやせシナリオ以外では他のキャラがあまり絡んでこないシナリオがほとんどとなっている。 これに対してあやせシナリオではほぼ全てのキャラがシナリオに絡んでくる。加奈子にいたっては登場するのはあやせシナリオとあやせシナリオから派生する加奈子シナリオのみ。 また、基本的に他のキャラのシナリオでは京介とヒロインが恋人同士となり終了なのだが、あやせだけは恋人となったあと桐乃と対決するシーンが描かれている。また、EDも他のキャラと一線を画している。 このように本来正ヒロインであるはずの桐乃や黒猫を食ってしまっており、本作の実質的なヒロインとでも言うべき扱いとなっている。 フォローしておくと他のシナリオも原作者の監修がなされているため原作との違和感もなく水準以上の出来である。 問題点 2SHOT会話のツッコミの成否がわかりづらい。 成功・失敗の判定がプレイヤーには明確に示されないため、表情や仕草からしか成否を判定する術がない。表情や仕草の変化は非常に微妙なので判断が難しい。 1度EDを迎えれば、オプションから2SHOT弾幕という機能が選べるようになる。これをONにするとツッコミを行った後にニコニコ動画のコメントのように画面上を文章が流れる。これが成功時と失敗時とで別の文章になるため、成功か失敗かが明確にわかるようになる。ただどっちが成功のコメントなのか微妙にわかりづらい。 一部EDの難易度が高い。 特に某キャラのルートは複数回見ないとEDに辿りつけず、コンプリートの大敵となっている。 とはいえやり直しも容易なシステムだし、基本的には虱潰しにルートを埋めていけばコンプリートはそれほど難しくはない。 総評 キャラゲーに強いガイズウェアの面目躍如と言える、質の高いキャラゲー。 また、原作者による全面監修、シナリオの書き下ろしにより、キャラの行動や言動・地の文までも違和感を全く感じない原作ファンも満足の出来となっている。 原作8巻、10巻のプロトタイプとも言える展開や、まだ原作で発生していないイベントを見ることができるので、原作ファンには是非プレイして欲しい。 余談 2012年5月17日に、本作の続編とリファイン版がセットになった『俺の妹がこんなに可愛いわけがないポータブルが続くわけがない』が発売された。詳細は後述 作中で桐乃、黒猫、沙織、京介が『GOD EATER BURST』をプレイするムービーが流れる。同メーカー、同ハードで発売日も近いため宣伝も兼ねていると思われるが、各キャラの特徴を活かした楽しいムービーとなっている。 なお開発スタッフはこのムービー撮影のために10時間近くプレイするなどかなり苦労したようだ。 俺の妹がこんなに可愛いわけがないポータブルが続くわけがない 【おれのいもうとがこんなにかわいいわけがないぽーたぶるがつづくわけがない】 ジャンル 恋愛奮闘Liveアドベンチャー 対応機種 プレイステーション・ポータブル メディア UMD 2枚組 発売元 バンダイナムコゲームス 開発元 ガイズウェア 発売日 2012年5月17日 レーティング CERO:C(15才以上対象) 定価 通常版:6,280円限定版:7,330円 判定 良作 概要(続) 『俺の妹がこんなに可愛いわけがないポータブル』の続編。UMD2枚組構成となっており、前作のリファイン版と続編の2つのソフトが収録されている。 特徴(続) 俺妹P続のテーマはイチャラブで、基本的に前作のエンディングで京介とヒロインが恋人同士となった後の話となっている。また、前作同様隠しシナリオも存在する。 前作のヒロイン5人(桐乃、黒猫、沙織、あやせ、麻奈実)に加えて、前作では隠しシナリオ扱いだった加奈子と、瀬菜のシナリオが追加されている。 システムやグラフィックは基本的に前作とほぼ変りない。 OPテーマは前作・アニメと同様「irony」が、EDテーマには「nexus」が採用されている。どちらも歌うのはClariS。ちなみに「nexus」は原作小説のテーマソングでもある。 先述したように前作が丸々一本付属されている。しかも一部CGが書き直し&追加、わかりづらかった2SHOT会話の成否判定の改善、前作ではボイスがついていなかった京介の心の声(地の文)にもボイス追加、瀬奈が登場するシーンやEDの追加、といった改善が行われたリファイン版となっている。 評価点(続) 前作同様原作者である伏見つかさ氏が全面監修を行なっているため、相変わらずシナリオの出来が良い。 伏見つかさ氏の書き下ろしシナリオは桐乃編、加奈子編、沙織編、闇猫編、共通パート、隠しシナリオ。なんと前作の2倍以上の量を書き下ろしているとのこと。 これまた前作同様、上記シナリオ内では原作(当時10巻まで刊行)に先駆けて一部設定や展開が披露されている。 新規キャラの追加 メインキャラとして加奈子と瀬奈が追加され、Live2D用のグラフィックも用意されている。また、麻奈実と沙織のLive2D用グラフィックも描き直されている。 来栖彼方、槇島香織がアニメに先駆けてボイス付きで登場。立ち絵も用意されている。この2人は原作ではほとんど登場していないため、原作よりも掘り下げられた描写がなされている。 日向、珠希に立ち絵が追加されている。また立ち絵こそ無いが、三浦、真壁、フェイト、麻奈実の祖父母が新たにボイス付きで登場。 イベントCGの総数は差分なしで70枚近く。今作でもアルバムモードでの鑑賞時全てのCGにキャラの掛け合いコメントがついている。さらに今作では1枚のCGに対して2種類のコメントが収録されている。これに合わせてリファイン版も全てのCGに新規コメントが追加され、従来のものと合わせて2種類のコメントが楽しめるようになっている。 今作でもミニゲームとして脱衣ブロック崩しが収録されている。やはり本編とは全く関連がないので、息抜きや気分転換にどうぞ。 今作は『魔法少女まどか☆マギカ』とのコラボ企画となっている。 2SHOT会話の成否判定の改善 前作では2SHOT会話でのツッコミの成否が表情や仕草からか、2周目以降の2SHOT弾幕で判定するしか術がなかったため判断が難しいという問題があったが、今作ではツッコミ選択時に「Good」か「Bad」が表示されるため、成否判定が明確になった。この仕様はリファイン版にも適用されている。 前作のリファイン版が付属 地の文である京介の心の声にもボイスがついたため、完全なフルボイス仕様となった。 一部CGが描き直され、あやせのハイキックCGが追加されている。 瀬奈が登場するシーンや、新規ED等オリジナル版からの追加シーンがある。 賛否両論点(続) + (ネタバレあり) 前作同様キャラごとのシナリオ密度に差がある。 原作者書き下ろしの桐乃編と加奈子編はほぼ全てのキャラが絡んでくる密度の濃い話になっている。これに対して麻奈実編、黒猫編は登場キャラも少なく若干寂しい。 加奈子編は特に力が入っており、EDの演出も他のキャラとは違う凝りよう。 とはいえ全てのシナリオが高水準なのは前作通りなので、気にならない人は気にならない点ではある。 問題点(続) 続編のボリュームが前作と比べて少ない。 ボリュームは前作の1.8倍と公称されているので、続編が前作の0.8倍のボリュームであるということは事前に公表されてはいた。 前作のリファイン版を付けることでボリュームを補っているが、前作をプレイ済みの人にとっては若干お得感が下がって感じる。 続編には京介の心の声にボイスがついていない。 前作リファイン版にはついているのでこちらにもつけて欲しかったという声も。京介役の中村悠一氏の仕事量が大変なことになりそうだが。 なんと2枚組のUMDのディスク番号を間違えて発売してしまうという冗談のようなミスを犯している。 本来はDisc1が前作リファイン版で、Disc2が続編のはずが、中身が逆の状態で発売されてしまった。 説明書の記載と食い違っているだけで、ゲームの進行に全く影響は無い。 総評(続) 好評だった前作の素材をそのままにシナリオを引き継いで作成された正当な続編といえる作品。 シナリオの書き下ろし量が増えているなど前作よりさらに原作者の介入度合いが増しており、もはや原作者自身による番外編として楽しめる。 前作のリファイン版についても数多くの改善がなされているため、今からプレイするならこちらの方がお勧めである。 余談(続) この世界観での続編はないと公式で明言されている。